自民党派閥の政治資金パーティーでの不記載をめぐる裏金事件。岐阜県選出の元参院議員・大野泰正被告に下されたのは、一部を無罪とした上で「罰金60万円の有罪判決」でした。
■大野被告側は無罪主張…争点は“5100万円の認識”
午後1時、神妙な様子で記者会見に臨んだ元参院議員・大野泰正被告。 大野泰正被告: 「改めて国民の皆さまに今回の件で政治不信を招いたこと、心より深くおわび申し上げます」 政界を揺らした自民党派閥をめぐる裏金事件は、ひとつの区切りを迎えました。 岐阜県選出の自民党の参議院議員だった大野被告と、元秘書の岩田佳子被告。2人が問われたのは、旧安倍派から受け取った計約5100万円を政治資金収支報告書に記載しなかった政治資金規正法違反の罪でした。
これまでの公判によると、所属していた旧安倍派の政治資金パーティーのパーティー券について、2022年までの5年間で割り当てられたノルマを超えて販売したおよそ5100万円を、派閥側から現金で還流された大野被告ら。 裁判は、このおよそ5100万円をどう認識していたかが争点となりました。
この金について検察側は、2人が「寄付金」と認識していたにも関わらず、共謀して収支報告書に記載しなかったなどとして、大野被告に罰金150万円、岩田被告に罰金50万円を求刑しました。
一方、大野被告側は、派閥から何の金か説明がなく、収支報告書には記載不要の「預り金」と認識していたと主張。収支報告書の内容も把握していなかったなどとして無罪を主張していました。
■有罪判決に悔しさ滲ませた会見「3分」で退場
23日の判決公判で、福家康史裁判長は「受け取った現金は寄付に当たる」と認定。その上で、2021年までの4年分については「2人の共謀は認められず、罪の成立は認められない」として無罪に。 直近の2022年分のみ「両被告が共謀の上、収支報告書に虚偽の記入をした」と認定し、罰金60万円の有罪判決を言い渡しました。 判決後、大野被告は起訴内容の一部が無罪と認定されたことに感謝の意を示した一方で…。 大野泰正被告: 「一部、真実をご理解いただけなかったことは大変遺憾に思います」
有罪判決が下されたことに、悔しさを滲ませました。 一連の裏金事件で、元国会議員の被告に対して、初めて言い渡された判決。祖父・大野伴睦衆院議員の代から地盤としてきた地元の羽島市民は…。 羽島市民ら: 「期待していた人だからね。こういうことがあって、この先どうなるか」 「(裏金事件は)市民や国民を裏切るような行為かなと」 初当選の選挙を手伝うなど、大野被告と20年来の付き合いだという近藤伸二羽島市議は…。 羽島市の近藤伸二市議: 「裏金みたいな形にしたのは、ちょっと理解しにくい面があります。(議員)バッジをつけるのは難しいかもしれませんけど、経験を生かして一市民として、羽島市やわれわれにアドバイスやご指導をいただける立場になっていただくといいかなと思います」
去年の行われた参院選にも出馬せず、後援会にすら沈黙を保ち続けているという大野被告。 大野泰正被告: 「これからも、大切なこの日本を次の世代に、より良い国にして渡していけるよう、精進してまいる所存であります」 今後の政治活動継続に含みを持たせた発言をし、わずか3分で会見場から退席しました。大野被告の弁護士によると、控訴するかどうかは今後検討するとしています。


