なぜ わざわざ条例案提出?「スマホ1日2時間」 正午までに電話など約130件の問い合わせや意見… 市長は家族の前で宣言 愛知・豊明市

すき間時間のスマートフォン、使う時間は「1日2時間を目安に」と条例に書かれたらどう思いますか?愛知県豊明市できょう、全国で初めて全市民を対象にした、この条例案が提出されました。
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名古屋市内で聞きました。みなさんは1日何時間、スマートフォンを使っていますか?
(小学5年生)「1日5時間くらい」
(中学1年生)「4時間くらい」
(高校2年生)「15時間くらい触っているかも。推しの動画が流れてきて止まらなくなる」
(小学6年生の親)「スマホやゲームは友達もやっているから、しないといけない環境。親としては悩みどころ」
(小学2年生の親)「幼稚園のころ携帯を触らせて、目が悪くなった」
(小学2年生)「1日10分とか15分触る」
小学生は夜9時以降の使用を控えるよう…
一方、こちらは愛知県豊明市議会。きょう、ここにスマートフォンをめぐる全国初の条例案が提出されました。
(豊明市 浅井俊一教育部長)
「スマートフォン等の適正使用を促す対策を総合的に推進するため」
提出されたのは「スマートフォン等の適正使用の推進に関する条例案」。
具体的には、仕事や勉強、家事や通勤・通学以外でスマートフォンを利用するのは「1日2時間」を目安にしましょうという内容です。
さらに、子どもたちについては、睡眠時間を確保するため小学生は夜9時、中学生以上は夜10時以降の使用を控えるよう、市や保護者、学校などが促すとしています。
いずれも罰則の規定はありませんが、なぜ、わざわざ条例で提出する必要があるのでしょうか。
「子どもたちだけの問題ではない」
(豊明市 小浮正典市長)
「不登校の子どもたちがスマホが手放せず、家から出られないケースが増えているところから出発。ただそれは子どもたちだけの問題ではないと考えた。大人たち一人一人も睡眠時間を削っている」
子どもに限らず、全市民を対象にした「スマホ条例」は全国初。市長は約6万8000人の豊明市民全員に、食事や睡眠、家族との時間を削っていないか見つめ直してほしいと言います。
市には意見や問い合わせが、きょう正午までに電話で83件、メールで44件寄せられました。このうち市民からの問い合わせは約2~3割。残りは豊明市の外からだったということです。
では、市民の反応は…
(20代)
「きのうは8時間。インスタグラムだけで5~6時間」
「話しかけて返答がないなと思う時がたまにある。特にお子さんがいる方とかは話し合うきっかけになればいいのかなと思う」
(70代)
「年代的にそんなにゲームをやるわけでもないし、メールを送ったりも頻繁にはしないので、2時間以内といわれればそうかなと。子どもたちは『なんで行政がそこまで?』と」
市長も「家族がいる前で野球のチェックしない」と宣言
条例案には適正使用を推進するために、財政上の措置をとることも盛り込まれていて、市は条例案が可決されれば「アンケート調査を実施し、効果を検証したい」と説明しています。
すき間時間のスマホ依存、果たして条例で減らすことは出来るのでしょうか。
(小浮市長)
「僕はプロ野球のチェックをどこかの時間帯でしている。『家族がいる前ではやらない』と(妻と話して)強く宣言させられた。こういう機会になれば」
条例案の採決は来月22日の予定で、可決されればことし10月1日に施行されます。