
実効性に疑問の声も…“スマホ1日2時間まで”の条例案が市議会で審議入り 市長「成立してから丁寧に説明」


「全国初」とみられる、すべての市民にスマホの利用時間の目安を示す条例案が8月25日、愛知県豊明市議会に提出され、審議が始まりました。目安は勉強や仕事を除いて1日2時間としていますが、市民や専門家からは実効性に疑問の声も上がっています。
■大人も子供も「1日2時間」…市民からは“賛否両論”
25日に開会した豊明市の9月定例議会に提出された条例案では、仕事や勉強などを除いて、スマホやタブレットの使用は大人も子供も1日2時間まで、18歳未満の子供は午後10時以降は控えるなどの目安が示されていますが、罰則はありません。 小浮豊明市長: 「市民の皆さまに限れば、少なくとも私が接している中では、賛成されている方々が非常に多いと感じています」

「スマホ条例」は、豊明市民の間でも賛否両論です。 20歳の豊明市民(1日10時間以上): 「僕はめちゃくちゃスマホを触るタイプで、スマホ依存症なのであれなんですけど…。節度を持ってスマホを触っている方が多いと思うので、しばる理由が知りたいですね。よく分からないので」

Q.学校で話題になっている? 16歳の豊明市民(1日5時間以上): 「結構、『2時間はちょっと無理だよね』って」 74歳の豊明市民(ほぼ使用なし): 「別にいいんじゃないですか。それぞれの使い方だから。強制力があるわけじゃないし」
■「スマホ条例」注目集めるも…専門家「実効性に乏しい」
条例案が報道されてから、市には賛否の電話がこれまでに100件以上届いているといいます。 小浮豊明市長: 「今回の条例案は、どうしても誤解が生じてしまう可能性があることをもともと認識していましたので、成立してから市民の皆さまに丁寧に説明していく、それが一番重要だと思っています」 「あくまでスマホの使い方を各家庭で見直すきっかけにしてほしい」と、市長は訴えます。 しかし、地方自治に詳しい専門家は…。 近畿大学経済学部の村中洋介准教授: 「ご家庭で考えてくださいねということを条例で規定するというのは、ちょっと私には理解できなくて」

市民からも、疑問の声が聞かれました。 48歳の豊明市民: 「具体的に言うんだったらそれなりの根拠が必要だし、そもそも余計なお世話というのが一番大きい気持ち。真剣にとらえていない感じ、どうせ可決されないと思っちゃっているからかな」 36歳の豊明市民: 「家庭でのルールで決めているので、市が2時間と言っているから2時間にしようとかではなく、本人たちのために家庭では2時間にしようねという感じなので」 専門家は、実効性の乏しい条例とも指摘します。 近畿大学経済学部の村中洋介准教授: 「“2時間制限”という目安を示します、という条例を作る意義はあまりないと思っています。今のままだったら、各ご家庭で勝手に考えてねというか、結局市民に丸投げしちゃうような状態になるので、作るのであれば住民がきちんと理解できるような条例にしてほしい」 スマホ条例案は今後、委員会で審議され、9月22日の最終日に採決される予定です。