
“持ち歩ける日陰”として日傘の需要高まる 世界初の放射冷却素材で内側の温度マイナス11℃

暑さ対策として手持ちのハンディファンや冷却タオルなど、さまざまなグッズを活用している人が増えています。なかでも、年齢や性別を問わず普及しているのが「日傘」です。

愛知県名古屋市で傘を製造・販売している「小川」では、日傘の売上が例年に比べ伸びていて、子ども用日傘は前年比200%、男性用日傘は前年比140%となっています。
洋傘売り場の“スペシャリスト”と呼ばれるアンブレラ・マスターとして「小川」に勤務する早川尚樹さんは、日傘を利用することで、「紫外線による日焼けの防止や、直射日光を遮り、体感温度の上昇を抑えることができる」と言います。
「日傘というと日焼けを防ぐというイメージの方も多いと思いますが、紫外線カットのほかに遮光・遮熱など体に感じる暑さを低減させることができるので、熱中症予防対策の1つとしても有効と考えられます。持ち歩ける日陰としての使用をおすすめします」(アンブレラ・マスター 早川尚樹さん)
世界初の放射冷却素材で内側の温度はマイナス11℃

猛暑には、遮熱・放熱効果が高い素材「Radi-Cool」を生地に使用した「Radi-Cool/zeroand」シリーズの日傘が、特に今年は注目とのこと。
「Radi-Cool」は、ラディクールジャパンが開発した世界初の放射冷却素材で、放射冷却を利用し、自然の力で物体の表面温度を下げることができるそう。
「第三者機関で実施した遮熱性能試験では、一般的な100%遮光生地を使用した晴雨兼用傘と、Radi-Cool生地を使用した晴雨兼用傘を比較した際、内側の本体温度が、通常の晴雨兼用傘のマイナス11℃という結果となりました。また生地性能を測るテストでは、ホワイトカラーのみ遮熱率最高ランクの65%以上、紫外線遮蔽率・遮光率も100%となっています」(早川さん)
通常の日傘の場合、傘生地が太陽の熱と光を遮るため、傘そのものに熱がこもった状態になります。しかし「Radi-Cool」は太陽の光を反射しながら、物体から出る熱(赤外線)を宇宙に逃がすという特別な仕組みを利用していて、傘の表面に熱がこもるのを防ぎ、内側への熱の伝わりも抑えてくれるため、涼しく感じることができるそうです。
「小川」では今年から販売を開始していますが、すでに初回生産数量は完売してしまい、急遽追加生産するほど人気だと言います。
普段使いに適切なサイズ

日傘を選ぶ際は、体格や用途によって自分に合ったものを選ぶと良いそう。駅から職場までの移動など普段使いには、親骨サイズ50cmや55cm程度が持ち歩きもしやすくおすすめとのこと。
「より広範囲をカバーしたい、雨傘としても使いたいという場合は親骨サイズ55cm,60cmの大きめサイズもおすすめです。また、弊社の商品で親骨サイズ40cm(一般的には3~4歳の子ども用の傘と同じサイズ)がありますが、近所へお出かけや駐車場から建物までのちょっとした距離の移動、サイズが小さくぶつかりにくいので人混みが予想される場所などにおすすめの傘です。親子での共用もできます」(早川さん)
サイズやデザインも大事ですが、コンパクト、軽量、大寸、畳みやすいものなど日傘にはたくさんの種類があるので、自分のライフスタイルやメインの使用シーンに合わせて選ぶようにしましょう。
(メ~テレ 飯田莉穂)