多彩な顔ぶれがそろう「MORIZO Challenge Cup」女性クラス
近年、モータースポーツの世界でも女性ドライバーの活躍が目立つようになってきたのはご存じでしょうか?私がラリーの世界を紹介するコラム「梅本まどかのラリー日和」でたびたび話題に挙げている「MORIZO Challenge Cup」にも、2025年から待望の女性クラスが新設されました。2026年は「総合ドライバーランキング」と「女性クラスランキング」という、2つの熱い戦いが繰り広げられています。
MORIZO Challenge Cup2026の女性クラスには、本当にバラエティ豊かな選手たちが顔をそろえています。2025年の女王である兼松由奈選手をはじめ、KYOJO CUPなどサーキットでも女性限定のレースにも参戦している平川真子選手、及川紗利亜選手、アジアクロスカントリーラリー2025で女子総合3位に輝いた伊藤はづき選手、そして今年ラリー復帰を果たしたママドライバーの今橋彩佳選手などが参戦しています。
今橋選手には2人のお子さんがいらっしゃいますが、2026年から全日本ラリー選手権に特設託児所が設置されたこともあり、ご家族で現地入りをしてお子さんの応援を受けながらママドライバーとして一戦一戦戦っています。(ちなみに今橋選手のお父さんは、私がXCRスプリントカップでペアを組んでいたドライバーの番場彬選手で、全日本ではドローン撮影者としても活躍されています。)
女性コ・ドライバーの強みとリアルな課題

私がラリーを始めた2018年当時、女性ドライバーはまだ少なく、どちらかというとコ・ドライバー(ドライバーの隣に座り、ペースノートを読み上げて指示を出す選手)に多い印象でした。2019年に全日本ラリーへステップアップした際も女性ドライバーは稀少でしたが、コ・ドライバーとして活躍する女性は想像以上にたくさんいました。
女性コ・ドライバーにはそれぞれ利点と欠点があると感じます。欠点としては、やはり体力や筋力では男性より劣るということ。ラリーはメカニカルトラブルが起きた際、2人で作業してサービスパークにマシンを戻さなければなりません。そうした力作業が必要な場面では、身体構造上、男性が有利になることがあります。
一方で利点としては、手が細いため男性の手が届かない狭い箇所まで触れられることや、体重が比較的軽く車全体の総重量を減らせるため有利であること、そして気配りやマネジメント力に長けている点が挙げられます。
また、「異性の声の方がペースノートのリーディングにおいて耳に入ってきやすい」なんて話も聞いたことがありますが、どこまでが傾向でどこからが個性なのかはわかりませんが、とても興味深いポイントです。実際に男女ペアで組まれている方も多く、現場で活躍するベテラン女性コ・ドライバーの先輩方の姿には、憧れと尊敬の念を抱かずにはいられません。
「性別」よりも大切なのはドライバーとの相性

一口に女性コ・ドライバーといっても背景は様々です。もともとドライバーだった方や他カテゴリーのマネージャー出身の方、あるいは「応援している大好きなドライバーのためにコ・ドライバーになった」という方までいらっしゃいます。私がラリーで初めて組ませていただいたのも女性ドライバーでした。「このタイミングでお手洗いに行っておいた方がいいよ」など、女性同士だからこそ気づく細やかなアドバイスをたくさんいただき、とても助けられました。デビュー4年目には男性ドライバーと組ませていただきましたが、正直なところ性別による違いはそこまで感じませんでした。
ハイラックスという大きな車両で参戦した時は、タイヤ交換1回あたりのエネルギー消費量が他とは違ったので「これを女性同士でやるのは大変かも」と思ったのですが、86やアクア、GRヤリスでは男女の差より性格の相性の方が大切だと感じました。
「性別関係なく戦いたい」 私が抱き続ける目標
近年、女性選手の増加に伴い注目度も上がっていますが、私の中で「 “男だから”“女だから” ということ関係なく、戦えるようになりたい」というのは全日本ラリーにステップアップしてから目標にしていること。
以前、女性選手同士で話をしていた時も、「筋力の差はどうしても出てしまうけど、負けたくない。男性ドライバーにも勝ちたいよね」という話題にもなりました。私が最初に組んだ女性ドライバーさんは「AT車なら男性に絶対勝てる!」とAT車のマイスターになり、実際に男性ドライバーさんからも「AT車では敵わない。」と言わせていた姿がカッコよかったです。
私はコ・ドライバーとしてまだまだ未熟ですが、頼もしくてかっこいい選手になれるように頑張りたいと思っています。
母となって迎える新たな節目、またラリーの現場へ

そして私事で恐縮ですが、先日出産し、母となりました。どうしても女性は人生において、子供を授かると出産や育児でお休みする期間が必要であり、そこで辞めてしまう人も多いです。でも、ラリーは年齢を重ねても続けられる競技で、最近では今橋選手のように子育てと両立しながら戦う方や、育児が落ち着いてから復帰される方もいることを知りました。2025年の夏頃には、同じクラスで戦った、ラリーだけでなく人生の先輩でもあるコ・ドライバーさんが育児をしながらラリーに参戦されていることを知り、いろいろなお話しを聞かせていただき、アドバイスもいただいていました。
しばらくは家庭を優先するのでラリーはお休みしてしまいますが、ラリーは大好きなのでお休み期間中は勉強しながら、パワーアップして復帰できるよう頑張りたいと思います。最後は私個人の話になってしまいましたが、近年ラリーの現場には女性選手も本当に増えて、面白い戦いになっているのでぜひ注目してみてください!
テレビ愛知のラリー情報サイト「ラリーのトビラ」では、梅本まどかさんがラリーの魅力を語る「梅本まどかのラリー日和」のバックナンバーやラリー競技のルールや用語も詳しく解説しています
https://tv-aichi.co.jp/rallynotobira/


