人気の北海道物産展にも気候変動による変化 サバの漁獲量が急増しサケは年々減少 トマトは暑さ対策でコストが上昇

松坂屋名古屋店で人気の「初夏の大北海道物産展」が始まりました。会場では北海道とは縁が薄そうな「ある魚」が格安で販売されていました。一体どうして?
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松坂屋名古屋店の物産展で人気ナンバー1を誇る「初夏の大北海道物産展」。午前10時のオープンと同時に大勢の人が来場する人気ぶり。
北海道の海の幸を贅沢に使った海鮮弁当や揚げたてホクホクのコロッケ、さらには人気のスイーツまで。ことしも北海道のグルメが集まりました!
こちらは網走と知床を拠点とする水産会社。その商品棚にはカニにホタテ、鮭など美味しそうな海の幸がずらり。ただ、ことしは「ある変化」があるそうで…。
(取材班):「今のオススメは?」
(網走水産 卜部貴行さん):「こちらの北海道産のサバですね」
(取材班):「北海道でサバ!あまりイメージがないんですが…」
700点限りというサバは、焼いて味付けもして何と500円!物価高の今、北海道とは縁遠いサバが一体なぜ格安で販売できるのでしょうか?
気候変動の影響で漁獲量に変化が
(網走水産 卜部貴行さん)
「やはり温暖化でしょうね。海水の温度が上がってきたような感じがある」
海水温の上昇に伴い、サバやブリなどの生息域が北に移っていて、北海道では特にサバの漁獲量が急増しているそうです。
(買い物客)
「みりん漬けだと美味しそうだなと思った。サバも北上しているのかなと」
「今までとれなかった所でとれるようになったっていうのは聞いた。買っていきましょう」
一方、気候変動で獲れなくなっている魚も…。
(網走水産 卜部貴行さん)
「サケが年々ちょっとね漁獲も減ってきまして、値段もどんどん上がってきているような状況」
北海道の名産を揺るがす気候変動、影響は海の幸だけにとどまりません。
北海道でも暑さ対策のコストが上昇
会場には北海道産のトマトを使ったジュースも。北海道はトマトの生産量が全国2位。暑さに弱いため北海道で安定して生産されてきましたが…。
(イナゾーファーム 谷江美さん)
「北海道も例外でなく、とても夏は暑くなってきたので。トマトを作っている私たちとしては暑さ対策に必死に追われている」
これまでの寒さ対策に加え、夏の暑さ対策にもコストをかける必要が。去年の生産量が減ったことも加わり、価格は1割ほど上がっているそうです。
(イナゾーファーム 谷江美さん)
「もちろん農業は天候があってのこと。お客さまに、なるべく迷惑をかけないようにという気持ちも当然ある。そこの、せめぎ合い。正直…大変です」