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【特集】「大変だったけどそのときしかできない経験で強くなれた」受験のため離れて暮らす決断をした親子は今 能登半島地震から1年 

中京テレビ
01.04(土)08:00

地震直後に出会った親子。大学受験を控える息子は勉強のために親元を離れ避難する決断をしました。あれから1年。今の親子を取材しました。(取材:鈴木穂香)

【特集】「大変だったけどそのときしかできない経験で強くなれた」受験のため離れて暮らす決断をした親子は今 能登半島地震から1年 

1月2日、こたつに入りテレビを見る家族。石川県輪島市の平野さん一家です。

【特集】「大変だったけどそのときしかできない経験で強くなれた」受験のため離れて暮らす決断をした親子は今 能登半島地震から1年 

1年前ここ輪島市を襲った能登半島地震。

輪島市の「朝市通り」は地震発生後に大規模な火災に襲われ200棟以上の住宅や店舗が被害にあいました。

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地震発生から2日後、未だ激しい揺れと白い煙がくすぶる中、私が出会ったのが平野崇さんと長男の俊輔さん親子でした。祖父母宅から必要な薬などを取りに来たと語る崇さんの手に握られていたのが1つのやかんです。

父・平野崇さん(56)取材時:

「かろうじて水が残っていたので手洗いとかに持って行こうかなと」「水の配給は来ていないのでお茶とかはあるけど水が無くて」

発災直後、物資も少なく1杯のやかんの水が貴重なほど生活がままならない状況でした。

さらに俊輔さんは取材時は高校3年生。受験勉強のまっただ中でした。

息子・俊輔さん(18)取材時:

「(1月)13,14日に(共通テストが)控えています」「なんかもう…どうするんですかね」

受験を控える中、突然失われた日常に困惑していました。

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それから約1か月たった去年1月末。俊輔さんの姿は輪島市から約100㎞離れた金沢市にありました。家族で話し合い、俊輔さんは1人受験のために避難していたのです。発災時に持っていた荷物だけで避難したということで、足りない参考書は新たに買い直したといいます。

息子・俊輔さん(18)取材時:

「いまは受験が第一なので、とりあえず自分の今やらないといけないことをやろうと思います」

初めて親元を離れたという俊輔さん。家族からSNSで励ましを受け受験勉強に取り組んでいました。

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一方、同じ頃輪島市内の自宅には片付けを進める崇さんの姿がありました。

父・平野崇さん(56)取材時:

「実際のところ何からしていいか分からずに、ぼうっとしているだけなんですけど」

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崇さんがこう話す通り、家族の思い出が詰まった自宅は倒壊はしなかったものの家財が散乱。

また、壁には亀裂が入り床と柱の間には隙間があいてしまっていました。

電気や水道も止まったため、崇さんは妻と2人で避難所で生活をしながら、日中に自宅の片付けをしていました。

こうした生活は3月まで続き3月末以降、自宅での暮らしを再開したといいます。崇さんは、取材に、実際は何から手をつけていいかわからないと呆然とした様子で話しました。

父・平野崇さん(56)取材時:

「こんな所にいても仕方ないので向こう行って勉強してくれって勉強できる環境をすこしでもそう思って、1人で金沢へ(送り出した)」

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それから約11か月。俊輔さんは無事第一志望の大学受験に合格。今は県外で1人暮らしをしていますが、この日は輪島市に帰省していました。

一番頼れる存在である親元を離れての受験勉強は、慣れないことも多い反面、貴重な経験だったと振り返ります。

息子・俊輔さん(19):

「大変だったけどそのときしかできない経験で強くなれたかなと思います」「ほんと落ちていると思っていて、(合格発表を見て)番号があった瞬間によかったって。騒いでいました、うれしくて」

去年1月取材した時よりも、たくましい顔つきを見せる俊輔さん。

大学では物理を学んでいて、勉強も遊びも充実した大学生活を送っているようです。

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地震から1年ぶりに家族4人が集まった自宅。久しぶりの一家団欒です。

去年1月末と比べると片付いていますが、本来は壁を剥がして修理しなければいけない部分も最低限人が住めるような応急措置程度の修理をしている状態だといいます。

既に100万円以上費用がかかっていますが「準半壊」の自宅は自治体からの支援金は34万円ほど。

完全に修理するには全く足りておらず、同様の被害を受けた近所の人の中には将来を考えて既に輪島市を離れていった家族もあるということです。

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地震だけではなく去年9月には記録的な豪雨も。

平野さんの自宅前を流れる河も氾濫まであと一歩というところまで水位が増しました。

■父・崇さん(57):

「気持ちが滅入ってしまいます。情けない話、小さな物音とか敏感になって恐怖を感じるようになりました いい年した男の大人が何言っているのかと思うかもですが実際のところ怖いですね」

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解体が進み更地が広がる朝市通り。平野さんの祖父母宅も、解体され何も残っていません。1年前とはまた違った景色が広がっています。

■父・崇さん(57):

「ほんとに記憶が曖昧でもう1年経ったのかとはっきりしない。今年は災害のない年になって欲しいと切に願います」

■息子・俊輔さん(19):

「今年2年生になって専門の授業も増えるのでがんばりたいのと来年は僕は20歳で成人式があるのか分からないけど、今年1年また大人になれるようにがんばりたいと思っています」

地震から1年、 少しずつ復興へ向かっている能登半島。

崇さん俊輔さん親子は去年と同じく今も離れて暮らしていますが、去年とは違う前向きな思いを抱いて歩み出しています。

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