大雨の影響で市内全域で「断水」の危機 市民や老舗の銭湯の対応は… 最終的には未明に回避 岐阜・高山市

きのう記録的な大雨に見舞われた岐阜県高山市では昨夜、市の全域で水道水が止まる「断水」のリスクに直面しました。急な対応を迫られた市民を取材しました。
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大雨から一夜明けた高山市の宮川。まだ流れが速く濁っています。
(通学中の女子児童)
「(きのう帰る時の川の水位は)あそこに階段あるじゃないですか。あそこの階段の途中まで水が来ていて。まじで怖かったです。びびりましたよ」
高山市内では別の川でも水位の上昇がみられました。きのう正午ごろ江名子川では濁流が暴れ、今にもあふれ出そうな状態に。きのう午後1時20分までの12時間雨量は190ミリと6月としては観測史上、最も多い雨量となりました。この大雨が思わぬ形で市民の“暮らし”を揺るがせました。
川の水が濁りすぎたため、市内の浄水場で水道水を作れない、つまり市内全域が「断水」するリスクに直面したのです。
市内全域に断水のリスクが…
昨夜、市内のすし店では。
(松喜すし 中才虎之助さん)
「(断水の可能性を伝える)高山市の広報車が通った時、断水するかもしれないと聞いてトイレとか流れなくなると困るので、シンクに水をためたりとか、お客さんの飲料水がなくなると困るので冷蔵庫に冷やしたりしていた」
影響は銭湯にも。自分で薪をくべる「薪サウナ」が人気の老舗銭湯「鷹の湯」では、昨夜20人ほどの入浴客がいましたが、店主の清水さんは市からの情報を聞き、急きょ早めの閉店を決めました。
(鷹の湯 清水裕登さん)
「申し訳ないですけどシャワーが出なくなりますので、午後8時半までに店を出てほしいとお願いしました。(こういった経験は)初めてですね」
きょう未明に断水は回避
店の近くを流れる江名子川は茶色く濁り激しく流れていたため、氾濫の心配はしましたが、水道への影響は想像もしていなかったと振り返ります。
高山市では、きのう午後5時半ごろから断水のリスクを広報し、節水を呼び掛けたほか、小学校に「臨時給水所」を設置しましたが、きょう未明に水道用の水を取り込む小八賀川の濁りが収まったため、断水は回避しました。
(高山市民)
「洗い物する時とか、お風呂のシャワーを少なめにした」
「鍋とかに水をたっぷり入れたり、お風呂場に水をためたりした。(断水が回避されて)安心しました。ほっとしました」
昨夜は早めに閉店した銭湯も、きょう通常どおり営業できました。今回の経験が“備え”を見つめ直すきっかけになったと話します。
普段からの備えの必要性を実感
(鷹の湯 清水裕登さん)
「水道水はすごくありがたいものだと感じた。それがないときの備えを普段から用意しなければと実感した」
大雨で川があふれなくても断水するリスクはあります。家庭で水を確保するために風呂おけをつかったり、ペットボトルを用意するなど防災知識や備えを確認しておくことが大切です。