「市場の値段はガクっと下がっている」 備蓄米が出回ったことで危機感が… 愛知の米穀店で最新事情を聞いた

20万トンの追加放出で残りが10万トンとなる政府備蓄米。市場の米の値段は一体どうなっていくのでしょうか。
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(大石邦彦アンカーマン)
「愛知県岡崎市に来ています。コメの価格はいま高止まりしていますが、少し異変が起きているそうです。価格は実際に下がるのでしょうか?」
市場では新たな問題があると聞き、米穀店を訪ねました。
(大石)
「山形産の『つや姫』の玄米が1キロ税込みで980円」
(渡辺米穀店 渡邊正明さん)
「一番高い時に買ったコメです」
渡辺米穀店での店頭では相変わらずの高値。しかし、市場価格はどうなっているのかを聞くと
(渡辺米穀店 渡邊正明さん)
「市場の値段はガクっと下がっている。おいおい…という、業界内はパニックに近い状態」
卸売業者と小売店との取引価格が、ここ2週間で7000円から1万4千円ほど値下がりしたといいます。
備蓄米が出回って危機感が…
(大石)
「これだけガクンと下がった理由は?」
(渡辺米穀店 渡邊正明さん)
「やっぱり備蓄米が早めに出てきて。心配で持っていたコメが『ひょっとしたら危ない、売れ残ってしまうといやだな』という危機感から市場に出てきた。市場に出れば(取引の)値段も下がる」
卸売業者が売れ残りを懸念し、市場に流通し始めたコメ。
外国産米や備蓄米などの供給が増えていることに加え、麺やパン食の需要が増えたことが考えられるといいます。しかし…
(大石)
「高い時に仕入れたコメがある状態で、安いコメを仕入れたら価格は?」
(渡辺米穀店 渡邊正明さん)
「今でも、ある程度プール計算して、ちょっとずつ全体の(価格を)上げているが、それを含めて(価格は)下がっていく」
備蓄米・外国産米・銘柄米が入り乱れる状態に
渡邊さんによると銘柄米の店頭価格を下げられるのは今月末ごろ。価格設定を複雑にしているのは、すでに高値で買って入荷しているコメの存在です。
(渡辺米穀店 渡邊正明さん)
「やっぱり心配で。まだ(新米まで)4か月ありますから」
新米が入るまで手をつくして在庫を確保する必要が当然あります。随意契約で仕入れる備蓄米も10トンといいます。
(渡辺米穀店 渡邊正明さん)
「外国産米も持っている。備蓄米も予約した。あと高いコメも買っている」
(大石)
「これで新米が入荷したら、今ある2024年産も古米になって価値は下がる?」
(渡辺米穀店 渡邊正明さん)
「下がるとは思います」
さまざまな備蓄米と外国産米に銘柄米が入り乱れ、この先どうすれば商売が成り立ち消費者にも喜んでもらえるのか、悩みは深いと話す渡邊さんです。