「お待ちすることなく火葬は出来ている」八事斎場の建て替え工事から1カ月 第二斎場をフル稼働で混乱なし

老朽化による建て替え工事にともない名古屋市の八事斎場で火葬ができなくなってから5月1日で1カ月です。メインとなる火葬場の閉鎖で、市内や近隣の火葬場の予約が取りづらくなることが懸念されていましたが、実際に火葬待ちは起きているのでしょうか。

天白区にある八事斎場は名古屋市が運営する火葬場です。施設の老朽化などの理由で4月1日から建て替え工事が始まりました。工事が終了し、新しい火葬場の運用が始まる予定の2028年までの間、名古屋市内で利用できる火葬場は港区にある第二斎場のみとなります。
そこで懸念されていたのが、長期間に渡り火葬場の予約が取れない状態となる火葬待ちです。第二斎場の担当者に話を聞いてみました。
名古屋市健康福祉局八事斎場再整備担当 井口智彦課長補佐:
「実際に4月になって運用を始めてみましたが、基本的には想定していた通り、そこまで皆さまにお待ちいただくことなく火葬が順調にできていると考えています」
第二斎場には30の火葬炉があり、4月1日からは、1日に火葬可能な件数を2025年3月までと比べて1.5倍に増やして運用しています。さらに元日を除くすべての日で火葬の対応をするようにしたことで、1年間に火葬可能な件数は3万1668件となりました。これに対し、2024年度の八事斎場と第二斎場の火葬件数の合計は約2万9900件でした。火葬件数が大幅に増えない限り、第二斎場のみで対応が可能です。
名古屋市健康福祉局八事斎場再整備担当 井口智彦課長補佐:
「上限の87件まで予約が埋まることもあるが、そういった日が続くことはなくて、基本的には(希望する日から)1日もしくは2日以内で火葬ができているものと考えています」
名古屋市の担当者によりますと、友引の日に火葬を避ける人が一定数いるため、友引の翌日は予約が混み合う傾向にあるということです。混雑を避けるため、名古屋市は友引でも火葬をすることへの協力を呼びかけています。

一方、八事斎場の建て替えによる閉鎖の影響を受ける地域もあります。長久手市にある年間約100件の葬儀を請け負う葬儀場です。長久手市には市が運営する火葬場がないため、こちらの葬儀場では2025年3月まで、利用者の約6割を八事斎場に案内していました。
しかし、八事斎場が4月から利用できなくなったため、瀬戸市斎苑や尾張東部聖苑などに、これまでよりも多く火葬を依頼しています。今のところ火葬場の予約が取れない状況にはなっていませんが、長期間の火葬待ちに備えて「あるもの」を準備していました。
紫雲殿執行役員本部長 古屋直樹さん:
「現在は使用していないが、例えば1週間待ったりするとなると保冷庫が必要になってくるかと思い、保冷庫の準備をした」
葬儀場を運営する会社では1台しかなかった保冷庫を3台に増やしました。例年、冬場にかけて葬儀の件数が増える傾向にあるといいます。
紫雲殿執行役員本部長 古屋直樹さん:
「冬場になったとしても、火葬場の状況を見ると大丈夫かなとは思っている。万が一、火葬待ちが増えたとしても、故人の状態もしっかりと保てるようにして、みなさまにしっかりとしたお見送りをしていただけるようにと思っている」