
一部は設置から60年程経過…岐阜市の柳ケ瀬商店街で老朽化したアーケードを撤去へ「盛り上げるための起爆剤に」


岐阜市の柳ケ瀬商店街で、アーケードの撤去が検討されていることがわかりました。昭和の時代から、商店街のシンボルとして親しまれてきましたが、撤去の狙いは何なのでしょうか。
■「柳ケ瀬のシンボル」アーケードを一部撤去へ
県内唯一の百貨店だった岐阜高島屋も営業していた、柳ケ瀬商店街。美川憲一さんの「柳ケ瀬ブルース」で全国的にも知られる商店街のアーケードが、一部撤去される方針であることがわかりました。

岐阜柳ケ瀬商店街振興組合連合会の水野琢朗理事長: 「タカシマヤが閉まって以降、大きな変化のタイミングが来ていまして、北部のエリアをもう一度盛り上げるための大きな起爆剤に、アーケードを撤去して新しい通り作りをすることが、きっとつながると」 柳ケ瀬商店街には、縦横無尽にアーケードが張り巡らされています。このうち、メインストリートの「柳ケ瀬本通り」がある北部地区で、アーケードを撤去するというのです。

撤去完了までは10年ほど、アーケード全体の半分近い750メートルほどが対象で、概算の解体費用は3億円程度の見込み。撤去の背景にあるのは商店街の現状です。 (リポート) 「アーケードが撤去される方針が固まったエリアです。鉄骨が錆びていたり、屋根もかなり汚れています。ずいぶんと年月が経っていることがうかがえます」

一部は設置から60年ほどが経過し、老朽化が進んでいます。空き店舗も増え、アーケードの維持費など、商店街を支える組合員の負担が課題となっていました。
■撤去を惜しむ声も…目指すのは「魅力あふれる新たな街」
撤去の対象となるエリアで、店を構える人からは、惜しむ声も聞かれました。 傘販売: 「どうしようもないですね。流れだから」 美容室: 「屋根があった方が、日差しが入らないので」 一方、「賛成派」の意見も。 市民ら: 「屋根があることで暗めの印象。(撤去で)街全体も明るい雰囲気になるのかなと」 「風通しが良くなるよね。古いものと新しいものの融合のきっかけになればいいですよね」 ここ数年、新しい店の出店も相次ぎ、若手アーティストらが作品を販売するアートスペースもできました。

サンビルの河合ほのかさん: 「残ってほしい気持ちではあるんですけど、老朽化でコストもかかると思うので」 立場によって意見は様々ですが、柳ケ瀬が目指すのは、魅力にあふれる新たな街です。 岐阜柳ケ瀬商店街振興組合連合会の水野琢朗理事長: 「200年、300年と続いていく街にするためにも、次の世代に受け渡しやすく、新たな店員さんが入りやすい街にしていきたい」 商店街の振興組合連合会は、今後も地元関係者との議論を進めていく方針です。