100歳「祝い金」カットし…中学校の給食費無償化を実現 市長「みんなで子どもを育てるために」 代わりに“色紙”をプレゼント 岐阜・郡上市

(松本道弥アナウンサー 9月3日)
「ここ岐阜県郡上市では、今年度から100歳のお祝い金が廃止となりました。なぜ廃止したのか。市長に聞いてみます」
【写真を見る】100歳「祝い金」カットし…中学校の給食費無償化を実現 市長「みんなで子どもを育てるために」 代わりに“色紙”をプレゼント 岐阜・郡上市
郡上市では昨年度まで、100歳の祝い金10万円が対象の市民に贈られてきましたが…
(郡上市 山川弘保市長)
「みんなで子どもたちを育てるためには、どうしたらいいかということを、真剣になって考えてもらう、そういった意味もあって、今回(祝い金の)給付中止を決定した」
郡上市の人口は現在約3万8000人。しかし2050年には約1万7000人減少するという推計もあり、このまま人口が減り続けると、国が定める「消滅可能性都市」の基準に当てはまるといいます。
そこで山川市長は、去年4月の就任以降、公共施設を見直すなど徹底したコストカットを実施。その金額は去年1年間で1億5000万円に。そのおかげで市内の中学校に通う約1000人分の給食費、合わせて5500万円を無償化できました。
そして、100歳の祝い金は合わせて400万円になる計算でしたが、これをカット。
(山川市長)
「高齢の方に向けた予算をカットすることは大変なことだと思います。でもそれくらいの覚悟で向かっていかなくてはならない」
「もうちょっとで100歳のおばあちゃんがしょぼくれていた…」
市長は祝い金カットを含め、高齢福祉分野で4400万円のコストカットを実施。この舵取りに対して郡上市民は…
(60代女性)
「いいんじゃないですか。中学生の子たちも大事だし、これからの人に使ってもらった方がいいかな」
(60代男性)
「他のことに使っていただけるなら、その方がいい」
一方、こんな声も…
(10代女性)
「うちのおばあちゃんがもうちょっとで100歳なんですけれど、ちょっとしょぼくれていました」
こうした声に市長は「高齢者を敬う気持ちを忘れたわけではない」と強調します。
(山川市長)
Q.手元にある色紙、これはなんですか?
「100歳のお祝い金10万円をなしにしました。代わりに私自らが伺って、地元の子どもが書いてくれた色紙、これをお渡しすることにしました」
10万円よりも子どもたちが心を込めて書いた色紙のほうが、より敬う気持ちは市民に伝わるという判断です。