知らない場所での戸惑い、雨の日の交通混乱…「帰宅困難」備えに必要なのは「上着や充電器」専門家に聞く

東京の大雨の影響で、羽田に着陸できない飛行機が中部空港に行き先を変更し、大勢の乗客が中部空港で一夜を明かしました。準備すべき持ち物などについてお伝えします。
12日の東海3県は大気の状態が非常に不安定で、発達した雨雲がところどころに流れ込みました。名古屋では午後1時16分までの1時間に40ミリの「激しい雨」が降りました。三重県紀伊半島沖を航海中のフェリーの乗客が捉えた映像です。海上で発生した竜巻とみられます。
天候不順は11日から続いていました。午前4時半ごろの中部空港では、多くの人が床に横になり休んでいました。中部空港によりますと、11日深夜、羽田空港を目的地としていた23便が悪天候の影響で、目的地を中部空港に変更して着陸しました。23便のうち、15便はそのまま欠航が決まり、中部空港のロビーに多くの乗客がとどまる事態となりました。
中部空港によると、空港で一夜を過ごした人の人数はわからないということですがロビーの一角には、利用客に配られた毛布とエアーマットが積まれていて、人数がうかがえます。
知らない場所での戸惑い

中部空港では乗客に毛布とエアーマットを配りました。また、会議室を開放して、待機できる場所を用意するなど「帰宅困難者」への対策を取りました。
飛行機の行き先が突然変更されたことで、知らない場所に戸惑う人もいました。石垣島に行っていたという人は「大変ですね。こういうこと自体初めてなのでどう対応していいか分からなかったのと、中部空港に初めて来たので、どこに行けばいいのかもわからなくて。バスか新幹線が空いているか予約見て、空いている時間に予約して帰ろうかなと思っている」
午前5時半前、空港に隣接した名鉄の駅の切符売り場には、切符を買い求める多くの人の列ができました。名古屋駅行きの名鉄の始発に乗り東海道新幹線で名古屋駅から東京に帰るという人もいました。想定外の帰宅困難。今やどこで起きてもおかしくありません。
防災エキスパートのアドバイス

数々の被災地で救援活動をしてきた防災のエキスパート、レスキューストックヤードの栗田暢之さんも1週間前の大雨で似た経験をしました。
栗田さんは「9月5日に大雨で新幹線が一時止まったじゃないですか。名古屋駅で2時間ぐらい、待機していたんですね。結構、冷房が効き過ぎて寒い状況なんですよね。上着を持っていたので、それで対応できたということはございました」
帰れなくなる場合に備えて、持っているといいのは、上着のほか飲料水や塩飴、汗を拭くタオル、情報収集に欠かせない携帯電話の充電器が実際に役に立ったそうです。
さらに「お腹がすいた時に急場をしのがないといけないなということで、おにぎり2個ぐらい買っておいて。主食のほかに少し栄養補給ができるもの、ちょっとつまめるものを持っておくと便利。特にお子さんがいらっしゃる家庭は必要でしょうね」(レスキューストックヤード 栗田さん)