原材料や燃料費の高騰などにより豆腐メーカーは、倒産や廃業が相次いでいます。その中で地域色を生かした「地豆腐」の販売を強化し、経営を立て直した企業を取材しました。

千葉県白井市のスーパーで、一丁200円とひときわ高値で売られている「堅豆腐」。箸でしっかり持ち上げられるほどの堅さが売りで、地元客からは「醤油でも、オリーブオイルでもいける」と人気の商品です。
この豆腐を40年にわたり作り続けているのが地元のメーカー「日の出」です。ゆっくりとかき混ぜる手作業の「櫂よせ」に通常の木綿豆腐の4倍の時間をかけ、脱水もプレス機を使わず人力で行う職人技によって、旨みが凝縮された美味しさを追求しています。

しかし「日の出」はかつて安売り競争に巻き込まれ、赤字と債務超過に転落していました。そこで、3つあった工場を1つに集約。価格競争の激しい絹・木綿豆腐を縮小する一方、地域ならではの「堅豆腐」を伸ばす方針に転換した結果、昨年11月には債務超過を解消。東京や神奈川のスーパーにも販路を拡大した結果、堅豆腐の売上は会社の半分を占めるまでに成長しました。

日の出を買収して再建したのは、相模屋グループ。代表の鳥越社長は、2012年から経営難のメーカー12社をグループ化。各地に根付く地豆腐を強化してきました。
岐阜の夏の風物詩「からしどうふ」を増産するだけでなく、冬も売れるように「おでん用」を開発。他にも、茨城の地元で親しまれた三和豆水庵(さんわとうすいあん)の生湯葉など、買収された企業は地豆腐の生産を強化、相模屋の営業力を使って販売を伸ばしてきました。

2024年に「伝統的酒造り」がユネスコ無形文化遺産に登録されるなど、日本食の価値が高まる中、今後は全国のメーカーと連携する交流団体の設立を目指しています。地元に根付く豆腐を「地酒」のように「地豆腐」と名付け、それらを結集して伝承していく仕組みをつくることで、豆腐の付加価値を高めていきたいと考えています。


