冬眠から目覚めて動き回るクマ。全国各地で目撃が相次いでいます。慣れない旅先で被害に遭うことがないよう、観光地・白川村で始まったのは“熊ソニック”という対策。一体どんなものなのでしょうか。

ゴールデンウイークでにぎわう岐阜県白川村の白川郷。観光案内所には「クマ危険」と書かれた張り紙が。去年10月には、シャトルバス乗り場付近でスペイン人男性が子グマに腕を引っかかれて軽いけがをしました。
白川村ではクマの目撃件数が2024年度の35件から2025年度は137件へと約4倍に増加。

これ以上クマが出てこないようにしようと、4月にクマ対策のために新たな装置を設置しました。
村内で目撃情報が多い場所などに4月、10基設置されたという「熊ソニック」。一体どんなものなのでしょうか。
装置を作ったのは山梨県にある「T.M.WORKS」という会社。
スピーカーからクマが嫌がる高周波の音を発生させ、約150メートルの範囲に“音のバリア”を作り、接近を防ごうというのです。

開発中の携帯型。クマが嫌がる高周波と低周波を合わせて出すもの。
クマ牧場で行った実験では、車の中から音を出すとすぐに反応し、クマは離れていきました。

白川村に設置した装置にはこんな仕掛けも。
轟秀明 社長:
「ある一定の周波数から周波数の間を約50パターンに切って、さらにランダムに複合して音を出すことで、“音慣れ防止”も含めて、この音にしている」
設置場所のひとつは白川郷から10キロほど離れた場所。
瀬音さくら山荘 鈴木英二 施設長:
「デイサービスの利用者が『クマが木に登って実を食べているぞ』と教えてくれて。本当にひとごとではない 」
おととし撮影されたクマ。これまで毎年のように目撃されてきました。
高齢者施設のすぐ近くに設置されたクマ対策装置「熊ソニック」。
瀬音さくら山荘 鈴木英二 施設長:
「年々出没や目撃回数も増えてきたので、安心できる材料が増えたと感じています」

4月30日も子グマが目撃された白川村。村ではクマが好む樹木を伐採するなど、危機感を持って対応にあたっていて、熊ソニックにも期待しています。
白川村 産業課 高島一成 課長:
「クマが嫌がる音ということで効果を期待している、そしてGWということで、村民はもちろん観光客に被害が出ないように 気を張っているところです」
世界遺産の村をクマから守るためにも試行錯誤が続いています。


