名古屋市元職員の逮捕 市の観光PR事業をめぐる“汚職事件” 約3年間で“43件の契約”

「熱心な仕事ぶりだった」という名古屋市の元職員の男。広告会社から、飲食代などの見返りを受け取っていたとして、送検されました。

2022年5月に名古屋市がコロナ禍で打撃を受けた観光業界を盛り上げるキャンペーンを発表した時の映像。市のマスコットキャラクターの隣にいる男性、当時、名古屋市の職員でした。
9日、送検されたのは名古屋市観光交流部の元担当課長・大塚勝樹容疑者(62)。市の観光プロモーション事業をめぐる“汚職事件”への関与が疑われています。
この事件で逮捕されているのは、もう1人、広告会社「ニック」の取締役・桑原清美容疑者(54)です。

警察によると、大塚容疑者は、おととしから去年にかけて、市の観光プロモーション事業を広告会社「ニック」に発注する見返りに、私的な飲食代など、あわせて約43万円を受け取った疑いがもたれています。
警察は2人の認否を明らかにしていませんが、捜査関係者によりますと、2人は逮捕前の任意の調べで容疑を認めていたということです。
大塚容疑者が便宜を図っていたとされる広告会社「ニック」。名古屋市との契約は、2022年から今年1月にかけて随意契約などあわせて43件契約、金額は約1600万円に上るということです。

9日、愛知県警による家宅捜索が行われた名古屋市役所。
名古屋市 広沢一郎 市長:
「元職員が逮捕されることは市民のみなさまに大変申し訳ないことだと思っています」
8日、元職員の逮捕を受けて謝罪した広沢市長。
大塚容疑者についてはー。
広沢 市長:
「(大塚容疑者は)副市長時代を含め、比較的知っている職員。割とテキパキと仕事をしていたようには見受けられました」
市によると、仕事ぶりは非常に熱心だった”という大塚容疑者。しかし、今年3月、市に対し、「公務員としてやってはいけないことをしてしまった」などと話し、退職していました。
大塚容疑者が、飲食代金のほかにも出張先の宿泊費やタクシー代などを「ニック」に負担させていたということで、警察は、事件の経緯を調べています。