伊勢神宮で「式年遷宮」が幕開け 2033年までに33の祭りと行事 20年に一度なのはなぜ?

伊勢神宮で20年に一度行われる神様のお引っ越し「式年遷宮」。8年後の2033年の遷宮に向けて33に及ぶ祭りと行事が催され、5月2日がその幕開けとなりました。
三重県の伊勢神宮で行われた「山口祭」。20年に一度行われる「式年遷宮」の最初の祭事です。
20年に一度行われる神様のお引っ越し「式年遷宮」。外宮・内宮ともに、隣接する敷地に新しい用材で同じ形の社殿などを造り替え、ご神体を移します。
「山口祭」は、用材の伐採にあたり、作業の安全を祈願する祭りで、内宮と外宮でそれぞれ行われました。
「物忌」と呼ばれる子どもがお供え物をささげ、鎌で草木を刈り取る儀式などが行われました。
80年以上前から神棚などを販売し、おはらい町にも店舗がある「宮忠」は、まちの活性化に期待を寄せます。
「遷宮の年(2033年)までに街がより進化し、成長する年になる。自分たちも経験して子どもや孫の世代にもつないでいく役割を市民が持っている」(宮忠 川西洋介 常務取締役)
式年遷宮はなぜ20年に一度行われるのか?

2033年までで33に及ぶ祭りと行事が催される式年遷宮。
過去2回の式年遷宮を取材し、伊勢神宮に関する本も出版する皇學館大学の千種清美さんに、山口祭はどのような意味を持つのか聞きました。
「私たちも家を建てるときに地鎮祭をしますが、神宮は最初に木を切るところから山の入り口でお祭りをするという、大変丁寧なお祭りの仕方だなと思う」(千種さん)
そもそも式年遷宮はなぜ20年に一度行われるのでしょうか?
「実は、古い文献にも『新しい材を使って20年経ったら新しくお宮を立てなさい』と書いてあるが、なぜかは書いていない」(千種さん)
千種さんによると、木材の耐用年数や技術の伝承のために20年と定められているなど様々な説があるということで、はっきりとはわからないそうです。
「約1300年続いてきたお祭りなので、いろんな気づき・学びみたいなものを受け取ってもらえたら」(千種さん)