「胎児も事故の被害者に」遺族が出した意見書が県議会で可決 事故で母は死亡、娘に重い障害

愛知県一宮市で、妊婦が車にはねられて死亡した事故。生まれてきた子どもも重い障害を負いました。「胎児も事故の被害者に」遺族が出した意見書が、愛知県議会で可決されました。

「意見書を可決することにご異議ありませんか」(議長)
「異議なし」(議員) 
「ご異議なしと認めます。よって意見書案は可決されました」(議長)

 25日開かれた、愛知県議会の本会議。

 全会一致で可決されたのは、交通事故等で死傷した胎児の扱いに関する議論を国に求める意見書です。

 提出されたきっかけは、去年5月に一宮市で起きた交通事故でした。

 研谷沙也香さん。去年5月、一宮市で路側帯を歩いていたところ車に後ろから突っ込まれ、31歳という若さで死亡しました。

 沙也香さんは妊娠9カ月で、お腹にいた子どもは緊急の帝王切開で生まれました。

 女の子で、日七未と名付けられました。しかし、事故の影響により重い障害を負ったのです。

「胎児は人ではなく母体の一部みなされる」

沙也香さんの夫・研谷友太さん

 沙也香さんを車ではね、死亡させたとして逮捕・起訴されたのは、児野尚子被告(50)。

 しかし、日七未ちゃんの障害に対する罪は問われていません。

 「胎児は人ではなく、母体の一部とみなされる」という日本の刑法の原則に基づいたものでした。

「起訴状を見たときに一切、(日七未ちゃんの)名前が入っていない。重度の障害を持って生まれた娘・日七未が被害者として扱われない現状は、到底受け入れられるものではありません」(沙也香さんの夫・研谷友太さん)

 遺族は、日七未ちゃんも「1人の被害者」として認め、児野被告に罪を問うよう、検察に求めました。

 オンラインで募った署名は、13万件を超えました。

「胎児も人として認めてもらいたいという気持ち」

「(日七未ちゃんは)意思表示できないが、確実に成長している」と話す沙也香さんの父親・水川淳史さん

 しかし、日七未ちゃんが障害を負った事実は当初の起訴内容に追加されるにとどまり、日七未ちゃん自身に対する罪は問われませんでした。

「当然納得できていない。社会として考えていかないといけない問題」(友太さん) 

 県議会の本会議場には、沙也香さんの父親・水川淳史さん(62)も傍聴に訪れました。

 意見書は全会一致で可決されました。

「大変な決断を愛知県にしていただいたんだなと。(日七未ちゃんは)自分で呼吸ができなくて、目が開けられなくて、意思表示ができないが、確実に成長している。胎児も人として認めてもらいたい気持ち」(沙也香さんの父親・水川淳史さん)

 可決された意見書は、国の関係省庁に提出されるということです。

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