AIを使った熱中症対策を導入する建設現場も 6月から労働安全衛生規則が改正

21日、岐阜・飛騨市神岡では全国で今シーズン初の猛暑日となりました。早くも夏本番のような気候、熱中症に注意が必要です。
21日の名古屋は、予想以上に日差しが届いたことで気温が上がり、最高気温31.2℃で、2日連続の真夏日となりました。
岐阜県飛騨市神岡では21日、午後3時までの時点で全国トップの35.0℃まで上がり、全国で今シーズン初めての猛暑日となりました。そのほか、三重県では松阪市粥見で31.3℃を観測し、暑さの厳しい1日になりました。
名古屋でも半袖姿が目立つほか、日傘をさす人も多くみられました。
夏の始まりですが、気を付けたいのが熱中症です。
20日、愛知県豊田市では熱中症の疑いで死者も出ています。ビニールハウス内で作業をしていた80代の男性が意識がもうろうとしているところを家族が見つけ、消防に通報。
男性は心肺停止の状態で病院に運ばれましたが、その後死亡が確認されました。熱中症とみられています。
建設現場ではAIを使った熱中症対策

一方こちらは、21日朝の名古屋市中区、高層ビルの建設現場。
愛知労働局の関係者が建設現場を訪れ、約200人の技能者に対し、熱中症対策を呼びかけました。
「熱中症は7月・8月がピークだが、5月も身体が暑さに慣れていないので発生している状態」(愛知労働局 小林洋子 局長)
愛知県内では去年、仕事中に熱中症となり4日以上休業した労働者が88人で、前の年から28人増えました。中でも多かったのが建設業に携わる人たちだったといいます。
6月からは、熱中症の重篤化を防ごうと労働安全衛生規則が改正され、新たに「熱中症対策」が義務化されます。対策が不十分だと罰則も。
対象は「暑さ指数」が28度以上、または気温が31度以上の環境下で1時間以上の作業などを行う職場です。
義務化に先駆け、この建設現場では表情をAIで解析して熱中症のリスクがないかを判定できるシステムを導入したほか、クーラーが効いた冷却ハウスを作業場に設置するなどの対策を行っていました。
「熱中症の重症化を防がないといけない警戒感や意識は高まっている。労働安全衛生規則は熱中症の重症化を防ぐ観点から、各事業所に改正内容が行きわたるようにしていきたい」(小林局長)