
どうして備蓄米は消費者まで届かない? スーパーでの販売価格は5キロ4268円と再び過去最高値に 備蓄米制度を見直すべきとの声も

江藤拓農水大臣の辞任の引き金となった「コメを買ったことがない」発言。しかし、辞任の背景には石破政権の支持率低下と、コメ価格問題で結果を出せなかったことがあります。
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コメ価格問題の核心は、コメを安く提供できるかどうかにあります。政府は備蓄米を放出したものの、最新のスーパー小売価格は5キロで4268円と、一旦下がった価格が再び最高値を更新してしまいました。
「コメ担当大臣のつもりでやります」と語っていた小泉進次郎氏ですが、いきなり難題が待ち受けています。コメ価格が下がらない要因の一つとされる備蓄米の流通量の少なさをどう改善するのか、そして備蓄米制度自体の見直しが必要ではないかという声も出ています。
未だに近くのスーパーで見たことがない備蓄米。どうしてここまで流通しないのか?流通の流れを見てみると…
なぜ備蓄米が流通しないのか
まず、政府の備蓄米「約21万トン」が放出されました。次に、JAなどの集荷業者・卸売業者・外食や小売店に流れていきます。
しかし、その流れの中で小売店に届いている備蓄米が10%とわずかしかないため、一般消費者が備蓄米を見かけることが少ないのです。
私の取材では、当初はこのJAなどの集荷業者にコメが1か月ぐらいとどまり、そこから卸売業者に届いて1週間から2週間。流通の手配なども難しいということもあり、なかなか小売店に届かないようです。
このような状況から、備蓄米制度を見直すべきだという声が上がっています。
コメ不足のいま… 「備蓄米」の適切な使い方を
また自民党幹部からも、制度見直しの声が出ています。その理由は、備蓄米が国有財産であるため、競争入札にすべきではないかという江藤大臣の発言にあります。
競争入札にすれば備蓄米の入札価格は上がる傾向にあり、60キロで2万2477円で入札されました。しかし、政府は毎年60キロあたり1万2829円で買い入れており、その価格差は約1万円にのぼります。
これが自民党の小野寺政調会長の「国がもうけてどうするんだ」という発言につながっていったということなんです。
そもそも備蓄米は、有事の際にしっかり出せるようにしておくものであり、価格を下げるのは本来の使い方ではないとも言えます。
備蓄米を早く安く届けることは大きな課題となっています。消費者に本当に届けられるのかどうか、農家など現場の声と国民の声をしっかり聞いてもらいたいものです。