独自の進化、地域発チェーン店を紹介するシリーズです。人口4万人以下の市や町に出店し、売り上げを伸ばしている食品スーパーが北海道にあります。その特徴的な経営手法を取材しました。
DZマート

北海道。東京23区の半分の面積に、人口わずか1万7千人の、留萌市。
人口減少が進む町で、売り上げを伸ばすスーパーがあります。
店内の客は多くありませんが…商品はあれもこれも、安い!
女性客:
「2日か3日に1回は来てますね。(ないと)困ります」
このスーパーは、DZマート。
中規模の食品スーパーで、北海道北部を中心に31店を展開しています。その半分以上は人口4万人以下。採算面からこの規模のスーパーが出店しにくい市や町です。
それでも、運営会社ダイゼンの売上高は117億円に成長。
営業利益率は、不利な立地にもかかわらず、道内の大手スーパーと互角といえます。
DZマートの儲かる仕組みとは?

客が少ないのに、安売りしながらなぜ儲かるのか。
テニスコート4面分の広さに、店員は2人だけ。
この仕組みを考えた、ダイゼンの柴田社長は…
ダイゼン 柴田貢社長:
「経費項目の中で一番大きいのは人件費なので、この人件費を何としても削減したい」
店舗コストの4割以上を占めていた人件費を削るため、店員を2人にし、それでも店が回る仕組みを考えたのです。
ダイゼン 柴田社長:
「基本的には牛肉はほぼ売っていない。最低限の生活はここで賄える。土日は大型スーパーに行って牛肉や刺身を買ってもらって、平日は我々の店で回せるくらいの品揃え」
入れ替えに手間がかかる刺し身はもちろん、魚は冷凍以外置いていません。
1店舗の商品点数を6000点と、同じ規模のスーパーの半分程度に絞り込むことで、店員の作業を減らしたのです。
コストを究極まで下げるには

柴田氏が会社を継いだのは2000年。
もともとは酒のディスカウント店などを手掛けていましたが、大手との競合で低迷しました。スーパーで勝負をかけようとしましたが…
ダイゼン 柴田社長:
「彼ら(同業)と違うことを考えないと生き残れないと思っていた。店舗オペレーションコストを究極まで下げるということ以外にないだろう」
そこでまず、900もの作業項目と、かかる時間を「見える化」。
レジのトラブル対応は外部に委託、このほか、店舗での棚卸しの頻度を下げるなどし、項目を半分ほどまで減らしたのです。
商品の発注をするのも、店員ではなく、すべて本社。3年前からはAIによる自動発注を導入。各商品の売れ行きが、天候や曜日によってどう変わったかを学習し、最適な発注数量を決めてくれます。
今年は全店へのセルフレジ導入も予定し、1年後には1店舗あたりの総労働時間を2割減らす計画です。
日経記者の目

日本経済新聞 札幌支社 西頭宣明記者:
「大手スーパーなども社会インフラ維持のために過疎地の店舗を維持しようとしていますが、近年は人件費や物流費の高騰もあり経営は難しくなっています。
ダイゼンの店舗運営手段は、全国で今後さらに増えるであろう買い物難民を救う一つの方法になりそうです」
今後の展開は?

ダイゼン 柴田社長:
「買い物が困りますよねというところに、売り上げが見込めなくても何とか収益出せるというところはうちしかないだろう。これから我々の店舗スタイルを、エンドレスですけど、発展させていきたいと思っている」


