
例年より2か月早いインフルエンザ流行 三重県ではすでに学年閉鎖した小学校も… 流行早めた要因は“猛暑”と“インバウンド”?

まだ大丈夫と思っていても油断は禁物。今年は早くもインフルエンザが流行し始めています。三重県では、すでに学年閉鎖になる小学校も出ています。なぜ今年は流行が早まっているのでしょうか?
三重県では学年閉鎖も…過去10年で最も早いインフル流行入り

10月7日、三重県津市の一志東小学校。6年生のクラスをのぞくと、授業中のはずですが、児童の姿は見当たりません。黒板には、金曜日の時間割が張り出されています。
3クラスある6年生は、10月7日から学年閉鎖に。インフルエンザが流行し、70人中20人が感染しました。
元気よく朝礼をしていた5年生のクラスでも、担任が注意を促していました。
5年生の担任:
「全国的にもインフルエンザがはやっているので、手洗いうがいをきちんとすること。対策しながらインフルエンザにかからないように気を付けましょう」

この学校では、9月も5年生の1クラスが学級閉鎖に。三重県では、過去10年で最も早く、インフルエンザが流行入りしました。
教諭:
「この時期にはやるのも早いし、感染のスピードも今年はすごく早い。11月1日に運動会を控えているんですが、今週から練習が始まっている中で、少し不安なところがあります」
学校は、保護者に感染予防を呼びかけるメールを送り、“換気” “手洗い” “うがい”など、改めて対策を徹底しています。
児童たちも感染対策の意識が高まっているようで「(手洗いうがいを)食べる前にしたり、家に帰ってきたときにします」「自分は野球をしているので、家に帰ってきたときは必ずしています」と話していました。
予防接種の予約増「1日100人」 愛知は昨シーズン“過去最悪レベル”

愛知県ではまだ流行していませんが、10月に入りインフルエンザの患者が徐々に出始めています。
名古屋市西区のみわた小児科では、予防接種の予約が埋まるのが例年よりも早いといいます。
みわた小児科 三輪田俊介院長:
「10月の予約状況と11月も同じように、1日100人以上の方が接種に来られているときも」
インフルエンザワクチンの予約数が、昨シーズンの予約数1900人に対して、今年は10月時点ですでに2000人の予約が入っていました。

みわた小児科 三輪田俊介院長:
「去年インフルエンザA型の大流行もありましたので、その辺も関係しているのではないかと思います。去年は何日かで予約がいっぱいになり、接種できない状況が生じたので、今年に関しては予約枠の拡大を行いました」
昨シーズン、愛知県で年末年始に過去最悪レベルの感染者が発生したこともあり、このクリニックは去年よりワクチンを500本増やしたといいます。
みわた小児科 三輪田俊介院長:
「予防できる感染症ですので、予防することはとても良いことだと思います」
インフルエンザの流行が早い理由は…?

例年よりも2か月ほど早いインフルエンザの流行。なぜ、今年はこんなに早いのでしょうか。
東京歯科大学市川総合病院の寺嶋毅医師によると、理由は2つあるといいます。
1つは、今年の記録的な猛暑でエアコンを使用する時間が長くなったこと。閉めきった室内は乾燥し、ウイルスにとって快適な環境になったと指摘します。
さらに、大阪・関西万博などで訪日外国人が増加したことも、感染時期を早めた要因として考えられるということです。
こうした状況になると、感染予防にはワクチン接種の時期が肝心になるようですが、元名古屋大学教授で内科医の柴田玲先生は…
柴田玲先生:
「コロナ禍で厳しい感染対策を行っていたので、免疫を獲得していない子どもが多く、流行しやすい環境にある。こういう時期は早めにワクチン接種をしておくということが大切」
名古屋市では、10月15日から指定の医療機関で受験生らを対象に無料の予防接種を実施します。
本格的な流行シーズンはこれから。早めのワクチン接種だけでなく、手洗いやうがいなどの基本的な感染対策も忘れずに行いましょう。