かつて100校以上も現在5校に…国の登録有形文化財の『円形校舎』後世に残す取り組みがクラファン活用し始まる
今ではほとんど残っていない円形の「学校の校舎」が三重県朝日町にあります。「朝日小学校」の特徴あるこの校舎を後世に残したり、広く知ってもらおうと、町が校舎の模型を作るため、クラウドファンディングで支援を呼びかけています。
■国の文化財に登録…63年前に建てられた「円形の校舎」
まるいドーム状の大きな建物。遠目からでもひと際目を引きます。三重県朝日町にある「朝日小学校」の校舎です。
児童ら: 「とても珍しいと思います」 「なんかかっこいいなと。こんなところで勉強できるのは幸せ」 「この辺では当たり前みたいになっているので、そんなに特別感はないけど、他の所に行ってみると全然ないから、特別だなと思います」
半世紀以上前の1962年(昭和37年)に建てられ、小学校の円形校舎としては唯一、国の登録有形文化財に指定されています。 狭い土地にも建てられるため、円形校舎は1950年代ごろから全国で建設が相次ぎました。
■教室は「扇形」…増築困難でブームは続かず現在では5校に
校舎の中には中央に円形のホールがあり、それを取り囲むような形で図書室や家庭科室などの教室が並んでいます。
校舎は4階建てで、1階から3階までは図書室や理科室などの教室が入り、4階はまるい屋根の体育館となっています。
円形校舎の教室はいずれも扇形で、先生が全体を見渡しやすいなどメリットがありますが、体育館のバスケットコートは一面しか取れないというデメリットもあります。
また、校舎の増築が難しいことなどから、建設のブームは長くは続かず、かつて全国に100校近くあった円形校舎も現在では5校になりました。 朝日町では円形校舎を今後も活用していきますが、老朽化で取り壊しになる学校も多いといいます。
■広く知らせて後世に残したい…朝日町が「クラウドファンディング」で模型作り
朝日町は、この校舎の模型を作って広く知ってもらおうと、クラウドファンディングで支援を呼びかけています。
発案者は、この小学校の卒業生でもある朝日町役場・産業建設課の矢野祐二さんです。 クラウドファンディングで資金を募り、200分の1サイズで円形校舎の模型を作ろうとしています。 朝日町役場・産業建設課の矢野祐二さん: 「貴重な円形校舎を後世に残していこうと。私自身も30年以上前に通っておりました。地元に残っている方は、円形校舎は朝日町の一つのシンボルというような感覚でいつも見ている」
目標金額は50万円で、寄付は1000円からできるということです。 矢野さん: 「円形校舎の学校を卒業したんだけれども、思い出の円形校舎がもうなくなっちゃっているという方も全国にたくさんいらっしゃるんじゃないかと思っています。町民のみならず、全国の皆さんと一緒に円形校舎を残していくことができれば」 クラウドファンディングは2月14日まで受け付けています。