急増する「ぼったくり相談」 “違法な客引き”について行くと…被害を訴える男性が語る実態 名古屋・錦

名古屋の歓楽街で横行する、違法な客引き。ついて行くとどうなるのか、被害を訴える男性が語りました。

名古屋の歓楽街、錦3丁目。5月16日、列をなして歩く男女の姿。
記者:「いま捜査員らがビルのなかに入っていきました」
ビルに入っていったのは風俗店への立入検査をする警察。この日、行われていたのは栄地区の集中的なパトロールです。

警察官が、声をかけているのは風俗店の客引きとみられる人たち。路上での客引き行為は条例違反にあたり禁止されています。
栄地区では客引きが入り口の“あるトラブル”が多発しているのです。

実際に、トラブルに巻き込まれたという男性に話を伺いました。
トラブルを訴える人:
「こちらが酒飲んでるから反論しても信じてもらえない。(飲酒の)立場にあるのをいいことに無理な金額を言ってくることが正直許せない」

男性が錦に行ったのは、今年3月。
トラブルを訴える人:
「おっさんのキャッチに「キャバどうですか」と言われた。ワンセット6500円。交渉して下げてもらって6000円」
紹介された店に入った男性は、セット料金以外に、1杯6000円のドリンク10杯ほどと10万円のシャンパンを注文し1時間ほど楽しんだといいます。
16万円ほどになると思い、会計をお願いすると。
トラブルを訴える人:
「16~17万円だと思っていたのが、30万円(ほどの請求)、2倍ぐらいに膨れていた。やられたなあと思って」
男性が巻き込まれたのは料金トラブル。頼んだ覚えのないドリンク20杯分ほどが上乗せで請求されていたといいます。

警察によると、栄地区では客引きを入り口に不当に料金を請求されるいわゆる“ぼったくり”相談が後を絶たちません。
相談件数は今年4月まですでに99件となっていて、去年のペースを上回っています。金額の幅は広く、300万円以上から1万円程度の相談も。99件のうちの1件がこの男性です。

男性は、料金がおかしいといいましたが取り合ってもらえず、お金を下ろすため従業員に連れられ近くのATMへ。
その際、隙を見て警察に通報。すると、それに気付いた従業員は。
トラブルを訴える人:
「『お前何電話してんねん』って」
その後、駆けつけた警察立ち会いのもと、店と話し合いをすることに。
トラブルを訴える人:
「(店側の)言い分はもめないために、一切グラスは下げていませんと。下げずにそのまま重ねていますと。店を出たから片付けたので、証拠はありませんって」
Q.実際30杯も積み重なっていた
「いや、絶対にないです」
警察同席で話し合っていくと、店は最終的に30万円ほどから20万円程度まで金額を下げたといいます。
トラブルを訴える人:
「(本来より)5万円以上高くなっているんで、そもそもおかしいなっていうのは根本的にありますよ」

この店、今年に入って6件相談があるといいます。私たちの取材に対して。
店の関係者を名乗る人:
「料金の水増し請求はしていない。後々のトラブル防止のため、客が注文するときは動画を撮っている 」
明朗会計をしていると主張しました。

警察によると“ぼったくり”は検挙が難しい面があるといいます。
愛知県警風俗環境浄化対策室 渡辺泰之 室長:
「お客さんが酔っぱらって記憶にない、明確な供述も取れない」
そのため、警察が注意を呼びかけるのが入り口となる客引きです。
愛知県警風俗環境浄化対策室 渡辺 室長:
「客引きを利用した相談というのが非常に多い。客引きに伴って、お店への立ち入りが判明した場合には、いわゆるぼったくり条例違反での摘発、事件化措置は取っております。客引きは利用しない・利用させない。ぜひとも心がけていただきたい」