“季節外れ”な真夏日のイチゴ狩り 子どもたちがフードロスやSDGsをおいしく学ぶ 岐阜・山県市

日本では冬から春に出荷されるというイメージがあるイチゴですが、春が過ぎてもイチゴは実ります。岐阜県の農園ではフードロスを考えてもらおうと、先日、“最後の最後”のいちご狩りが行われました。
6月下旬。真夏日となった岐阜県。
ビニールハウスの中で子どもたちが収穫していたのは、イチゴです。
山県市の「体験農園みとか」では8品種・約4万2000株のイチゴを育てています。
日本でイチゴといえば、冬から春というイメージがあります。
少し季節外れのようにも思えますが、なぜ今「イチゴ狩り」なのでしょうか?
「『冬春イチゴ』が市場に出回るのは5月・GWで終わるんですが、実際は6月上旬まで実り続ける」(体験農園みとか 大木初奈さん)
イチゴは春を過ぎても実り続ける

JA全農岐阜によりますと、5月のゴールデンウィーク明けからは気温が高くなり、市場に出る時には熟しすぎて出荷ができないことも。
この日もビニールハウスの中の温度計は、40℃以上を示していました。
そこで、出荷できないものは冷凍して業者に販売するなど、廃棄しない取り組みが進められています。
イチゴ栽培の現場を肌で感じて

この農園では、格安でイチゴ狩り体験を開催して最後まで楽しめる工夫を。
さらに今回は――。
折っているのは、イチゴの株。
収穫が終わったら、今年実をつけた株を取り除きます。
「この1年お疲れ様」という気持ちで株を折ることで、イチゴ栽培の現場を肌で感じてもらいたいといいます。
“おいしく”学ぶSDGs

黒くなっているものや小ぶりなものが多くある中、「宝探し感覚」で赤く大きいイチゴを発見!
収穫したら、その場で食べずに近くのカフェへ。
イチゴのアイスやクリームを乗せた「いちごパフェ」を作ります。
「手前の方はとられているので小さいものが多いが、真ん中あたりに行くと大きく赤いものがたくさんあったので、子どもも楽しそうにとってくれた。思ったよりすごく甘くておいしかった」(参加者)
「赤いイチゴがいっぱいあっておいしかった」(参加者)
最後の最後のいちご狩り。
その場で摘み取るだけではなく、株を折り、自分の手でパフェを作り、残さず食べる…。
記憶に残る体験を通して、おいしくフードロスや農業の大変さを学んでほしいといいます。
「イチゴがスーパーに並ばなくなっても、おいしく食べられることや、イチゴがどうやってできているのかなどを通じてSDGsを考えてほしい」(大木さん)