
外国人観光客が捨てて帰ったか…空港関係者を悩ませる『放置スーツケース』不審物とみなされ都度X線検査など


中部国際空港では、スーツケースの放置が増えて問題となっています。警察などは不審物として対応せざるを得ず、対応に追われています。
■2024年は85個を回収…不審物として対応せねばならず苦慮
旅行に帰省、多くの人が集まるお盆の中部国際空港。8月13日は、外国人観光客の姿も目立ちました。ほとんどの人が使っているのがスーツケースです。

13日、中部空港を管轄とする警察署を訪ねてみると、スーツケースが次から次に出てきました。どれも中部空港に放置されていたものですが、これはほんの一部です。倉庫では常時、20個ほどを保管しているといいます。

愛知県警中部空港署の副署長: 「ゴミ置き場の近くや立体駐車場、トイレ内などいろいろな場所ですね。外国の方が放置してそのまま国に帰るケースが一定数ある」 愛知県警によると、2024年に中部空港で回収した放置スーツケースは85個で、空港を出発する外国人観光客が捨てていったものとみられています。 落とし物として扱われ、警察署で保管されますが、持ち主が現れることはめったにないそうです。 さらに、テロ行為などの恐れがある不審物とみなされ、開けるのにはX線検査などが必要となり、警察や空港会社がその都度対応に追われることになります。

警察などが、外国語も含めて不法投棄の禁止を呼びかけていますが、直近3年間でその数は増える一方です。
■中部空港では1200円で引き取るサービスも
スーツケースを捨てていく理由としては、飛行機に乗る際に規定を超える荷物を預け入れるには超過料金がかかるためとみられています。 このまま放置、というわけにはいきません。中部国際空港の第1ターミナル3階の案内センターでは、不要になった空のスーツケースを1200円で引き取ってくれます。

1日1件のペースで持ち込まれるということで、旅行を経て荷物の数が増えてしまった外国人観光客の利用が多いといいます。 中部国際空港の担当者: 「『どこに捨てたらいいか分からない』とお困りのお客さまも、ご出発の前に安心して出発できているのかなと感じております」