藤井聡太“六冠”に後退…師匠・杉本昌隆八段はどう見た?「序盤に持ち時間を使わされた。ペース配分が今回の敗因」 王座戦で同学年の伊藤匠叡王に敗れる

将棋の藤井聡太七冠(23)は28日、王座戦最終局で挑戦者の伊藤匠叡王(23)に敗れ、「六冠」に後退しました。師匠の杉本昌隆八段は、ライバルとの激闘をどう見たのでしょうか。
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藤井七冠が同学年ライバル・伊藤匠叡王の挑戦を受けた王座戦五番勝負。2勝2敗のタイで迎えた第5局が28日に行われました。
会場の山梨県甲府市の常磐ホテルは、去年の叡王戦で当時八冠を独占していた藤井七冠が、挑戦者の伊藤叡王に敗れタイトルを初めて失った場所。
因縁の場所で、因縁の相手に借りを返すことはできるのか。藤井七冠の地元・愛知県瀬戸市からも大きなエールが送られました。
藤井六冠「実力不足だったかなと」
大一番は、それぞれが持ち時間を使い切り「1分将棋」に突入。激闘の決着は午後8時半過ぎでした。
(藤井七冠)
「負けました」
先手・伊藤叡王が97手で勝利し「王座」を獲得。藤井七冠は防衛を果たせず「六冠」に後退しました。
(藤井六冠)
「終盤戦で競り負けるような形になってしまった。実力不足だったかなと感じる」
地元・瀬戸市では…
(将棋ファン)
「来年リベンジしてほしい。その一言」
「今回は残念だが、また強い藤井将棋が見られることを期待します」
(喫茶スマイル・鈴木松子店長)
「まだ現実が受け止められない。とにかくお疲れさまでしたと伝えたい。もう何もやりたくない…」
一方、「王座」を獲得した伊藤二冠は、今月23歳になったばかり。史上3番目の若さでの「二冠」達成です。
(伊藤匠二冠)
「信じられない気持ち。他の棋戦も含めて藤井六冠に挑戦して、良い将棋を見せられれば」
藤井六冠の師匠・杉本昌隆八段はどう見た?
同学年のライバル同士の激闘を、師匠はどう見たのでしょうか。
(藤井六冠の師匠・杉本昌隆八段)
「序盤に藤井六冠が持ち時間を使わされてしまった。(藤井六冠は)ペース配分を考えなければいけないのかもしれない。今回の敗因を一つあげるとすれば、そこ(ペース配分)でしょうね」
Q.プロ棋士にしか分からない時間の使い方がある?
「きのうの将棋でいえば、最終的には持ち時間が追いついてきているが、序盤で使わされちゃった。それは伊藤二冠の指し手が鋭いから」
Q.伊藤二冠はタイトルをとってから実力を上げている?
「これは間違いない。ただ藤井六冠に追いついたということではなく、まだまだ挑戦者の立場。伊藤二冠が2日制のタイトル戦に挑戦してきた時、大きな山場を迎える。(2日制のタイトル戦で)伊藤二冠が勝つと、(藤井六冠と)二強になるんじゃないかなと。今回(藤井六冠は)負けてしまいましたが、六冠と二冠だし、1日制のタイトル戦だった。来年以降、再び八冠に向かって巻き返していく可能性の方が高い」
地元の“王座懸垂幕”はいったん撤去…
けさ、藤井六冠の地元・瀬戸市では「王座」の懸垂幕が外されました。保有するタイトルは減っても応援の熱量は変わりません。
(街の人)
「まだまだ若いし活力があるから挽回できると思う」
「残念だね。また挽回して頑張ってもらえれば」
次のタイトル戦は、10月31日から行われる竜王戦第3局。史上3人目の「永世竜王」に王手をかけるか注目です!





