愛知県警の熱き戦い 「地域警察官ナンバー1決定戦」舞台裏に密着 “日本一の警察官”による熱血指導も

事件の早期解決に欠かせない警察の「初動捜査」。その腕を競う大会がことしも開かれました。愛知県警の交番などに勤務する地域警察官ナンバーワンを決める熱い戦いに密着しました。
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■6月27日:「愛知県警察本部」
先週、愛知県警本部で行われたのは、警察の「初動捜査」、つまり事件が発生してから犯人を捕まえるまでの速さや正確さを競う大会です。愛知県内のすべての警察署と本部の部隊からあわせて50チームが参加しました。
事件現場に駆けつけ目撃者から情報を集める「現場担当」と、その情報を吸い上げ、現場の警察官に指示を出す「指令担当」が2人1組となって無線で連絡を取り合い、制限時間内に犯人検挙を目指します。
大会に出場した中川署の髙見翔太さんと柴田憲秀さん。普段は交番に勤務する地域警察官です。並々ならぬ覚悟で今回の大会に臨みました。
相棒は、全国大会の優勝経験者
■6月23日:「中川警察署」
本番の3週間前から大会のための訓練に専念するという熱の入りよう。
現場担当の柴田さんは今回が初出場です。
(現場担当 柴田憲秀 巡査)
「現場に行って(目撃者などから)一番最初に話を聞けるのは自分。その状況をいかに見えていない本部に、早く正確に伝えるのが難しい。最初は何を言ったらいいか分からなかった」
指令担当として柴田さんを引っ張る髙見さん、実は…
9年前の大会で愛知県警の頂点に。さらにその年の全国大会でも優勝し、日本一の地域警察官に輝いたのです。
この時、髙見さんとペアだったのが竹内聡さん。今回は出場はせず2人の熱血指導にあたります。
(指導係 竹内聡 警部補)
「2人には常々『緊張しなくていいから、本番は俺が作る問題よりも簡単だから』と(伝えている)。競技だけにこだわるのではなく、実際の現場だったらどうだろう、本当の被害者だったらどうしてほしいか常に考えて、実際の現場を想定してやっていくことが大事」
集めた情報を取捨選択しながら犯人検挙へ
目指すは優勝のみ。本番のお題は…
デパートのアクセサリー売り場で男女2人が刃物で刺され、犯人が逃走するという無差別殺人未遂事件の想定です。
まずは柴田さん。目撃者から犯行の状況を聞き取ります。
犯人の着衣や逃走経路など正確に把握し、伝えなければ犯人を取り逃がしてしまいます。
柴田さんから無線連絡を受けた髙見さん。
情報を取捨選択しながら犯人検挙に向け現場の警察官などに指示を出します。
(終了ブザー)「ピー」
「きょうまでよくやりました。しっかり結果待ちましょう」
(髙見さんと柴田さん)「ありがとうございました」
結果は…。
この経験を生かして、愛知の治安を守っていく
「成績発表。優勝、機動隊。第2位、…」
中川署は4位。
(現場担当 柴田憲秀 巡査)
「練習不足ですかね。(言葉が)詰まってしまうところがあるのなら、その時点でダメだった」
(指令担当 髙見翔太 巡査部長)
「今回、指令側の気持ちも分かったので、これからは現場で悪いやつをやっつけようかなと思います」
(指導係 竹内聡 警部補)
「(2人の点数は)きょうはですね…40点です!もっとやれたな、悔しいですけど…」
愛知県の治安を守るため、地域警察官たちは今後も腕を磨きます。