
負けられない戦いが続く名古屋グランパスの"笑顔のディフェンダー" 太陽のような明るさでチームを照らす 原動力は“7人きょうだいの絆”と“祖母の愛”<名古屋グランパス・徳元悠平選手>

J1残留へ向けて戦う名古屋グランパスに、持ち前の明るさでチームを照らす選手がいました。そのポジティブプレーヤーの原動力は、大家族の絆にあるようです。
チーム1のポジティブ選手 苦境の中でチーム支える

名古屋グランパスの練習拠点である、愛知県豊田市のトヨタスポーツセンター。
ここで直撃したのは、グランパスイチのポジティブプレーヤー・徳元悠平選手(30)です。ポジションはディフェンス。1対1に強く、当たり負けしません。
得点感覚も抜群で精度の高いフリーキックも決めるという、何でもできるマルチプレーヤーなのです。
現在15位の名古屋グランパス。自動降格となる18位との勝ち点差は5しかありません。こんな時こそ徳元選手の元気がチームに力を与えます。
名古屋グランパス 徳元悠平選手(30):
「順位としてはなかなか上がらず苦しい時期。残留することが目標になったが、辛抱強くやれれば」

そんな徳元選手をチームメイトはどう思っているのでしょうか。
この夏ベルギーのチームから名古屋グランパスに復帰し、高い身体能力で攻守にわたってチームを支える、愛知県春日井市出身の藤井陽也選手に話を聞いてみました。
名古屋グランパス 藤井陽也選手(24):
「徳元選手は常に明るいキャラクターでチームにとって欠かせない存在。練習からポジティブな声掛けが多くて、チームを明るくしてくれる選手」
名古屋グランパス 徳元悠平選手(30):
「好きで始めたサッカーで今ごはんが食べられるうれしさに感謝して、毎日元気でいられる」
6人の姉弟と祖母らの応援 元気の源は家族の絆

沖縄出身の徳元選手。家族や親せきを含め、いつも明るくにぎやかな中で暮らしてきました。
その家族の中で、父・泰樹さん(56)と弟・泰洋さん(22)、そして姉・祥子さん(31)が愛知県に住んでいます。きょうだいは全員で…
名古屋グランパス 徳元悠平選手(30):
「7人きょうだいです。おねえちゃん、おねえちゃん、おねえちゃん、ぼく、おとうと、おとうと、おとうと」
特に祥子さんとはサッカーのライバル関係でした。
徳元選手が小学校2年生、祥子さんが小学校4年生の時に、地元の三和FCという小さなクラブでサッカーを始めた2人。自分よりも祥子さんのほうがうまかったと、当時を振り返る徳元選手。

さらに、徳元選手にとって大切な存在なのが祖母・澄子さん(80)です。
名古屋グランパス 徳元悠平選手(30):
「おばあちゃん子で、おばあちゃんに助けられて育てられた。試合に出ていないときは(おばあちゃんが)『最近出てないね~』と。うわ!見られてる」
そこで、沖縄で暮らす澄子さんにリモート取材を行うことに。さっそく見せてくれたのは新聞記事。孫の活躍を報じた新聞をすべて収集し、大切に保存しているといいます。
そんな澄子さんが徳元選手に期待することは…
徳元選手の祖母 澄子さん(80):
「まずけがしないように。ちょこちょこテレビで顔みせてくれたらうれしいです」
徳元選手はポジティブプレーヤーでいられるのは、笑いが絶えない沖縄の明るい家族と、毎試合スタジアムへ駆けつける愛知に住む家族の支えがあってこそのようです。
J1残留へ負けられない戦い ベンチからも全力サポート!
9月27日、豊田スタジアムで行われた名古屋グランパス対鹿島アントラーズの試合。徳元選手は、持ち前のポジティブパワーでチームを勝利に導けるでしょうか。
スタジアムには、愛知県で仕事をしているお父さんと弟さんが応援に駆けつけました。
リーグ戦首位のチームを迎えての一戦でしたが、徳元選手はベンチスタート。試合は開始早々から得点を重ねられ、名古屋グランパスにとって苦しい展開となりました。
すかさず仲間に声を掛ける徳元選手。給水に来た選手にはベンチを飛び出して励ましの言葉を。ピッチに立っていなくても共に戦っていました。
しかし、この日は後半にも2点を許し、首位鹿島に0-4で敗れました。

名古屋グランパス 徳元悠平選手(30):
「1試合でも早く(J1)残留を決めて、そこから一つでも上の順位に行けるよう練習からしっかりやっていきたい」
名古屋グランパスはJ1残留のために負けられない戦いが続きます。今シーズンのリーグ戦は残り6試合。次の試合は10月4日(土)、豊田スタジアムでセレッソ大阪を迎えての一戦となります。