
ドラゴンズ来季Aクラスへの2つのポイント 矢野燿大さん「先発投手の整備」「得点数・出塁率アップ」

ドラゴンズは今シーズン2試合を残してリーグ4位が確定しました。来シーズンはどうしたらいいのか、元ドラゴンズで野球解説者の矢野燿大さんに聞きました。

さらに上の順位を目指すためにどんなことが必要か、矢野さんに投手陣と打撃陣に分けて教えてもらいました。
【投手陣のポイント】先発の整備・全体の底上げ
【打撃陣のポイント】得点数・出塁率アップ
先発陣のレベルアップが必須

Q:まずは投手陣からお願いします。
矢野さん:
「ストッパーのマルティネス投手が抜け、チーム戦力が大きくダウンしました。そこを松山晋也投手が担ってくれて、来季も松山投手がいないとだめだということを示してくれました」
「その中でシーズン後半、勝ちパターンが崩れてしまった。なかなか松山投手につなぐことができなかった。松山投手は今46セーブですが、優勝するには80勝ぐらい必要。そうなると勝ちパターン以外のピッチャーの底上げが必要です」
「先発陣も、大野雄大投手や松葉貴大投手が前半によく頑張ってくれた。でも僕は先発陣のレベルアップは来季どうしても必要じゃないかと思います」
Q:その中で先発陣、このピッチャーに頑張ってほしいというのはありますか?
矢野さん:
「やはり高橋宏斗投手と金丸夢斗投手。高橋投手は今季、調子がよくない中でも1年間しっかり投げてくれた。そして調子がよくなくても奪三振タイトルを争うレベルなんです。ポテンシャルはすごく高いので、来季も高橋投手が中心になってもらうことがまず必要」
Q:高橋投手はシーズン後半に調子を上げてきた印象がありますが。
矢野さん:
「ただ本当に勝ちたいところで勝てたのか。本人が納得のいくシーズンだったかというと、そうじゃないと思うんです。伸びしろがあるので、この悔しいシーズンをプラスにしていってほしい」
金丸投手には「アウトコースを」

Q:高橋宏斗投手は昨シーズン12勝を挙げただけに、少し悔しさが残るシーズンになったかもしれません。そしてルーキーの金丸夢斗投手は2勝6敗。15試合を投げて96イニング以上投げています。ドラゴンズの新人投手で90イニング以上投げたのは、川上憲伸さん以来27年ぶりだということです。金丸投手の伸びしろはどうですか。
矢野さん:
「すばらしいのは右バッターへのインコース。すばらしいボールがあるからこそ、逆のアウトコースのストレートを磨いてほしい」
「僕がキャッチャーとして受けてきたピッチャーや対戦したピッチャーでは、例えばドラゴンズなら山本昌さん、今中慎二さん、岩瀬仁紀さんのように、インサイドよりアウトコースを得意にしているピッチャーが長く安定して勝てています」
「僕がキャッチャーをしていても、右バッターへのアウトコースが安定しているピッチャーがいい。金丸投手はインコースが得意だからこそ、逆に外のボールに安定感が出てきたら、左バッターのインコースにどんどん突っ込んでいけるという幅が作れると思います」
Q:来シーズン、高橋宏斗投手と金丸投手でどれぐらい貯金を作ってほしいというのはありますか。
矢野さん:
「最低10勝でしょう。2人が先発投手を引っ張っていきながら、大野投手や松葉投手たちベテランが『こいつら頑張っているからついていかないと』というシーズンにしてほしいですね」
「泥臭さ」で得点アップを

Q:一方で打撃陣についてです。得点数と出塁率アップということですが、9月29日時点のチームの得点数は399、出塁率は2割8分7厘。ドラゴンズはどちらもリーグ最下位となっています。
矢野さん:
「もう1点取れそうなチャンスがあったのになあとか、あと一押しがないんですよね。打線が点になっちゃって、つながっていないんです。作戦なども必要なんですが、泥臭い点をどう取っていくか、粘り強さというのがもっと必要なんじゃないでしょうか」
Q:その中でも、盗塁数は増えました。29日現在のチーム盗塁数はリーグ2位の80で、去年より40増えています。
矢野さん:
「『ドラポジ』で井上監督がどんどん背中を押したので、数字がよく出ました。これも来年以降、もっと続けて増やしていってほしいところですね」
(2025年9月30日放送 メ~テレ『ドデスカ!』より)