「SNS型詐欺」が愛知で増加 被害額7000万円以上の投資詐欺にあった男性が語る“巧妙な手口”

SNSを通じて近づき、金銭をだましとる「SNS型詐欺」の被害が愛知県で増えています。投資を持ちかけられ、被害にあった男性が語る、その巧妙な 手口とは?
「まさか悪い人ではないだろうと。私自身の根の弱さ、それに尽きる」(被害者の男性・70代)
名古屋市内に住む、70代の男性。
SNSによる「投資詐欺」で、現金をだまし取られました。
その総額は、7000万円以上になります。
きっかけは2月末。男性の元に"投資グループの責任者"を名乗る人物から、投資に勧誘するメッセージがLINEに送られてきました。
「怪しいと思ったのは最初から。金融庁の登録があるのか、ないのかをくどく聞いたし、その度にはぐらかされた。『特殊な集団だから』という説明もあった」(被害者の男性)
銀行から「口座が詐欺の疑いがある」と連絡も

"責任者"の勧誘に対し、男性は"半信半疑"でしたが、指定されたウェブサイトで株を購入するという名目で、相手が指定する口座にお金を振り込みました。
その後、サイト内には利益が出ているという表示が。
男性の口座に、250万円が振り込まれたこともあったといいます。
男性は複数回、指定された口座にお金を振り込みましたが、相手とやり取りができなくなり、警察に相談。詐欺の被害にあったことがわかりました。
「銀行から『口座が詐欺の疑いがある』と連絡もあった。もうけるとか、もうけないとかは眼中になかった。それよりも1円でも回収して、利益も被害もなかったことを証明したかった。最悪の事態も考えたし、家族・周りに迷惑をかけないことを考えた」(被害者の男性)
愛知県警は警戒感を強める

愛知県警によりますと、今年1月~6月までに県内で確認された「SNS型詐欺」の被害額は、約55億4200万円。
去年の同じ時期と比べ、約12億円増えています。
その多くは「投資」名目でお金をだまし取る、「SNS型投資詐欺」です。
愛知県警は「SNS型詐欺対策プロジェクトチーム」による会議を開くなど、警戒感を強めています。
「現役世代・働き盛りの世代が被害に多く遭っている印象。被害に遭う人の多くは、投資に興味がある人。SNSでのやり取りがほとんどなので、会ったことがない人とはやり取りしない。『個人口座の名義に振り込んでください』や頻繁に口座番号が変わるところは注意してもらいたい」(愛知県警本部 生活安全総務課 尾崎昭裕課長補佐)