大麻所持に問われた男性の無罪が確定 名古屋高裁「手続きに違法」、裁判官の令状発布にも「問題がある」

10.24(金)10:15
大麻取締法違反の罪に問われ、証拠品の押収方法などが争点となっていた男性について、名古屋高裁の無罪判決が確定しました。
 判決文などによりますと、被告の男性(47)は2023年3月、名古屋市内のコンビニの駐車場に停めていた自動車内に大麻を隠し持っていた罪に問われていました。
 被告の男性は大麻の所持を認めていましたが、名古屋高裁は10月9日、「大麻の押収手続きなどに違法があり、証拠として認められない」と無罪を言い渡しました。
 無罪判決の理由として高裁は、覚醒剤の所持を念頭にした令状で大麻を押収したことを「著しく不当だった」とし、「令状主義を軽視する姿勢があったことは否定できない」と指摘しました。
 また、請求された令状は押収対象が広く、審査を担当した名古屋地裁の裁判官についても「容疑と関連の薄い規制薬物の差し押さえも可能になってしまい、このような令状の発付には問題がある」としています。
警察の職務質問や逮捕も「違法」

 このほか、警察官による職務質問や現行犯逮捕の手続きの違法も認定されました。
 名古屋高検は23日、「適法な理由が見いだせなかった」として上告せず、男性の無罪が確定しました。
 愛知県警は「判決を真摯に受け止め、今後の捜査が適正に行われるよう再発防止に向けて取り組みを進めていきます」とコメントしています。





