
廃棄されるはずのエアバッグがトートバッグに! 豊田合成が取り組むアップサイクルの魅力

名古屋市西区にある雑貨店「NAGONO WORK BAR & SAUNA 1F」。店内に並ぶトートバッグやペンケース、ペンスタンドといった雑貨は、審査基準を満たさずに廃棄されるはずだったエアバッグやシートベルトなどの材料から作られています。
環境と人にやさしい、“未来のものづくり”の姿に迫ります。

作業場をのぞいてみると、トートバッグを作っている真っ最中でした。自動車のエアバッグに使われる生地を材料にしています。取り組みを進めるのは、自動車部品メーカーの豊田合成です。

豊田合成 山田浩二さん:
「カバンにするには十分すぎるぐらいの丈夫さがあります。エアバッグは表面にシリコンが塗ってあり、撥水性に寄与しています。しかも、これまで捨ててしまう生地が出ていました」
“もったいない活動”の一環で取り組むアップサイクル

エアバッグは厳格な品質基準があり、傷や汚れなどがある場合は廃棄されます。捨てられるものに、新たな付加価値を加えて生まれ変わらせる「アップサイクル」でトートバッグを製作。廃棄素材を減らそうというわけです。
これは豊田合成が2018年から始めた、“もったいない活動”という廃棄物軽減の取り組みの一環です。

豊田合成 山田さん:
「クルマに限らず、世の中でモノを作っているときに捨ててしまう生地や素材は、思っている以上に多いんです。そういったモノを組み合わせて、『もったいない』をなくすような変容につながればいいな、と考えています」
廃棄素材に新たな命を吹き込む「Re-S」ブランド

持ち手がシートベルトの生地で作られたバッグや、ハンドルなどの内装品に使われる本革で、作られたペンケースなどは「Re-S(リーズ)」というブランド名で商品を展開。豊田合成の社員たちが商品を考え、さまざまな工房に製作を依頼しています。

障害者就労支援施設「Hitsujigumo.Sun」も、製作依頼をする工房の1つです。製作現場も含めて、豊田合成の社会貢献活動なんです。
Hitsujigumo.Sun 宮崎里美代表:
「一般企業で勤めていた利用者が多いので、ここに来て、一般就労を目指しています。社会貢献につながる大きな仕事をいただき、すごく意欲が高まって自信につながっています」





