
秋の防災キャンプ! どこでもくつろげる“リビング空間”を作ってみよう【暮らしの防災】

秋です。気候もよくなり実りの季節を迎え、よりキャンプを楽しめるシーズンになりました。防災キャンプの基本的な考え方については「夏編」で紹介しましたので、「秋編」はポイントを絞ります。「秋編」のテーマは“いつでもどこでもくつろげるリビング空間をつくろう!”です。キャンプサイト・自宅・そして避難所に「同じリビング空間」をつくります。いつか来るかもしれない厳しい避難所生活に、いつものやすらぎのスペースを持ち込むプランです。
秋のキャンプで「椅子」を見つける

 秋のキャンプは、何と言ってもグルメです。道の駅・キャンプ場近くのスーパー・市場・小売店で、季節の食材を買ってBBQ。準備や後かたづけが大変なので、そこまで手をかけなくても…という方は、地元の食材で作られたお弁当を買うのでもOK。ガッツリ行きましょう。
 季節が移り、夕方から冷え込んできます。温かい飲み物を飲んで心も体も温めましょう。
 こんな秋のキャンプでは、食べて飲んで「座り心地のいい椅子=アウトドア用チェア」を見つけてください。
くつろげるリビング空間とは?

 今回の「くつろげるリビング空間づくり」は、避難所に持ち込むことが目標ですので、最低限の広さにします。椅子1脚分です。このスペースでくつろげるようにします。意外と簡単で、意外と安くできます。もちろん「こだわりのグッズ」だと、そこそこお金がかかりますが。そこはお好みとご予算で。
 避難所でも「座り慣れたいつもの椅子」に腰かけると、ホッとして気が休まります。心に余裕ができると、気持ちも上向きます。それが狙いです。
防災用品は「普段使い」が基本

 アウトドアチェアは、座り心地がよく体にフィットするもの、折りたたんで小さくできるもの、軽くて持ち運びやすいものを選んでください。
 家でも使ってくつろいでください。防災用品は「普段使い」が基本です。キャンプだけでなく、部屋の中、散歩、車に積んでおきドライブなど出かけ先でも座ってみましょう。いつもの公園、普段の景色の中を椅子から眺めると、ちょっとした発見があったりします。
カップ(湯のみ)・ホットドリンク

<カップ>
 持ち歩ける「温かい飲み物用の容器」も探します。「軽いもの・落としても壊れないもの」にします。
 ホントはいつもの「湯呑」「マグカップ」で!といきたいのですが、あちこち持ち運ぶことを考えると耐久性が最優先となります。金属製、プラスチック製などで探してください。私は「飲み口」の感触、持ったときのバランスで選びました。
<ホットドリンク(お茶・コーヒー・カップスープなどお好みで)>
 どこでも、いつでも飲めるようにインスタント系にします。ティーバッグ・インスタントコーヒー・カップスープなどです。お湯は、自宅やキャンプなどではコンロなどで沸かします。ステンレス製の小さな保温ボトル(水筒)でお湯を持ち歩くのもOKです。避難所ではお湯をもらいましょう。凝ったこだわりのドリンクは不向きです。
 座り慣れた椅子、いつものカップ、いつものホットドリンクの3点セットで、くつろぎましょう。自宅・出かけ先・避難所、どこでも「癒しの空間」を作れます。
「自分ならではの癒しの空間の作り方」を

 寒さは足もとからきます。少し大きめのブランケット(ひざかけ)があるといいでしょう。軽い素材、じゃぶじゃぶ洗えて乾きやすい素材のブランケットを選んでください。
 消耗品ですので高価なものである必要はありません。秋のキャンプで、「自分ならではの癒しの空間の作り方」を見つけてください。
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 被災地取材やNPO研究員の立場などから学んだ防災の知識や知恵を、コラム形式でつづります。
■五十嵐 信裕
 東京都出身。1990年メ~テレ入社、東日本大震災では被災地でANN現地デスクを経験。報道局防災担当部長や防災特番『池上彰と考える!巨大自然災害から命を守れ』プロデューサーなどを経て、現ニュースデスク。防災関係のNPOの特別研究員や愛知県防災減災カレッジのメディア講座講師も務め、防災・減災報道のあり方について取材と発信を続ける。日本災害情報学会・会員 防災士。





