逮捕の決め手はDNA型鑑定 “ゲノムモンタージュ”とは 名古屋・西区主婦殺害

26年前、名古屋市西区で女性が殺害された事件。女の逮捕から1週間、動機は、いまだ明らかになっていません。被害女性の夫が訴え続けているのが、「DNA捜査」の法整備です。今後、日本で進んでいくのでしょうか。
11月6日、取材班が話を聞いたのは安福久美子容疑者を知るという女性。あることが気になっていたといいます。
安福容疑者の近所の人:
「(安福容疑者が)『私はあまり外に出ないので』と言っていた。ご病気かな、なぜかなって思いました」

1999年11月、名古屋市西区のアパートで、当時32歳の高羽奈美子さんが首を刺されるなどして殺害された事件。
10月31日、発生から26年を前に逮捕されたのは奈美子さんの夫・悟さんの高校の同級生、安福久美子容疑者でした。
安福容疑者の近所の人:
「(安福容疑者)とは玄関の前でしか会ったことない」
Q. 直接話したときは世間話はしたか
「ない、一切ないです」

26年の逃亡生活に終止符を打つ決め手となったのが、DNA型の鑑定。
現場の部屋に残された犯人の血痕。この血痕と安福容疑者のDNA型が一致し、逮捕に至ったのです。
これまで目撃情報などから似顔絵を作成し捜査してきた警察。
高羽悟さん:
「遺伝子情報を法制化して捜査に使ってほしいということは、訴え続けないといけない。そのためには部屋はとっておいて、訴えながらも現場見せて」

このDNAを使った捜査について現在、新たな研究が進められています。
東海大学医学部 今西規 教授:
「DNAから顔の形を予測するという技術の開発をやっています。それがゲノムモンタージュと僕らが名付けたソフトウェア」
私たち人間の体にあるゲノムと呼ばれるDNA情報。
この研究・解析が進めば現場に残された血痕などから顔の予想図を作り出すことが可能だというのです。
アメリカでは既に捜査に活用することもあるそうですが、日本とは大きな違いがあるといいます。
東海大学医学部 今西規 教授:
「アメリカの場合はさまざまな民族の方がいる国。どの民族なのかを推定するのは比較的簡単で技術は既に確立している」
アメリカとは事情の異なる日本では実用化するためにまだ研究が必要だといいます。

DNAに関する研究はどこまで進んでいるのでしょうか。
東海大学医学部の今西教授によりますと、DNAは性別、血液型がわかるのはもちろんなんですが、年齢に関しては約3歳の誤差でわかるといいます
顔についてはどうなのかというと、DNAで予想した顔の精度は、完全に似ているのを100%とした場合、10%ぐらいだといいます。
こういった顔の予測については、これから精度を上げていきたいとしています。
DNAは究極の個人情報とも言われていて、法律でも守られているものです。
警察の捜査でもどう使うかには制限があります。
警察の中のルールは、DNA鑑定では犯人かどうかを特定するためだけに使われるということ。身体的特徴とか病気に関する情報が含まれる部分については使われないとなっているそうです。
高羽さんが期待されているDNA捜査の未来、これが進展していくことを期待したいと思います。





