
5月14日は「なごや平和の日」 制定のため活動した高校生は卒業後、平和の大切さを伝える新たな道を…

5月14日は「なごや平和の日」です。戦災の記憶と平和への願いを次代につなげようと名古屋市が定め、今年が2回目となります。制定に向けて動き続けてきた高校生は、平和への思いを胸に新たな道を歩み始めています。
80年前の5月14日、名古屋城天守が焼け落ちた

80年前の5月14日は、アメリカ軍による空襲で、名古屋城天守が焼け落ちた日です。
「名古屋空襲をはじめ、戦争により犠牲となった多くの人々に、心から哀悼の意を捧げます」(広沢名古屋市長:なごや平和の日の式典で)
太平洋戦争中、名古屋市では63回にもわたる空襲で約8000人が命を落としました。
その記憶を次の世代へ語り継ぎ、悲惨な歴史を繰り返さないようにと、名古屋市は去年から5月14日を「なごや平和の日」としました。:
「なごや平和の日」制定は高校生の働きかけから

「なごや平和の日」制定を働きかけたのは、高校生たちでした。
「名古屋空襲って実際にどんなことがあったんだろうっていうのを深堀りしていけるようなシステム、取り組みをできるようにしていきたい。」(高橋愛奈さん:東邦高校当時のインタビュー)
名古屋市の東邦高校の生徒たちは、2014年から「名古屋空襲慰霊の日」の制定を市に訴えてきました。
中でも、精力的に活動を続けてきたのが、東邦高校の「慰霊の日制定実行委員会」のメンバーだった高橋愛奈さん(18)です。
高校卒業…音楽で平和伝えたい

高橋さんは今年3月、高校を卒業しましたが、いまは別の方法で平和の大切さを伝えようと、新たな勉強を始めているといいます。
4月からエンターテインメントの専門学校に通い、歌手を目指している高橋さん。13日は、ほかのドラムやギターを専攻する新入生とともに、曲を演奏する「アンサンブル」の授業を受け、課題曲を歌っていました。
先生からはアドバイスを受けながら、歌手という夢に向かう高橋さん。なぜ、歌手を目指すようになったのでしょうか。
「私は今音楽を通して世界とつながりたいっていうのがあって、まだまだ時間かかると思うんですけど、世界中のみんなで歌を歌ったり、音楽を通じて、平和を祈るっていうことをやれたら一番いいなって思ってます」
「一番は戦争が駄目っていうのがあるけど、それだけじゃなく人々が幸せに、笑顔になれるっていうだけでそれが平和だと思うんですよ。音楽からそこへアプローチしていけたらいいな」(高橋さん)
高校の卒業論文で音楽と平和について学び、音楽には、人の感情を動かす力があると感じたといいます。
自らも「音楽を通じて平和を伝えたい」と思い、表現力を磨く勉強に励む高橋さん。15日の式典にもその姿がありました。
「去年の式典よりも人が多く感じて、なごや平和の日が広まったんじゃないかと思うとうれしい。だんだん戦争体験者が亡くなっていく中で、私たち若者がどういう風に次世代につなげていくかが大切なので、自分なりにできることを見つけてこれからも活動していきたい」(高橋さん)