自衛隊機墜落から1週間 隊員の行方は…パーツが示す可能性 愛知・犬山市

自衛隊機の墜落から1週間。依然として、隊員2人の行方は分かっていません。捜索はどこまで進んだのか。専門家によると、注目すべきはこの黄色と黒のパーツだといいます。

捜索が続く、愛知県犬山市の入鹿池。
捜索は設置したブイを目印として潜るなど、約480人態勢で行われています。

14日に航空自衛隊小牧基地から2人の搭乗員を乗せ飛び立ったT-4練習機。
離陸からわずか2分後にレーダーから消え、入鹿池に墜落しました。

捜索は夜を徹して行われる中、墜落から2日後、搭乗員とみられる体の一部が発見されました。
中谷元 防衛相(16日会見):
「損傷が激しいということで、現在確認作業は続けている」
しかし、身元確認のためのDNA鑑定が進んでいないことが明らかに。現時点で見つかっている体の一部だけではDNA鑑定に進めないといいます。

難航する捜索活動。中京テレビが撮影した映像を航空機の危機管理に詳しい千葉科学大学の松家秀平教授に見てもらうと…。
松家秀平 教授:
「コックピット内の座席についている搭乗者を安定させるベルト。座席の装置だと考えられます」

松家教授が指摘するのは、19日午前にボートから何かを引き上げる映像。
松家教授:
「(部品の)発見された近辺に搭乗者がいる可能性が高い」
黄色と黒の部品のようなもの、これがコックピットに関連する部品の可能性があり、その付近に搭乗員につながる手掛かりがあるのではないかと話します。
入鹿池の水めぐり農家は不安も…

懸命な捜索が続く一方、周辺の農家からも不安の声が。
コメ農家の小川さん。これまで入鹿池のおかげで、水不足に悩んだことはなかったといいますがー。
コメ農家 小川さん(80):
「入鹿池の水に飛行機のオイルが流れて、こっちに流れると若干心配」

不安の種は、墜落機から出た“油”です。
県内最大の農業ため池の入鹿池。犬山市、小牧市などに供給され、水田面積は約5.7平方キロメートルにのぼります。
捜索とともに、油が広がらないよう吸収マットで回収が進められ、水面に近い取水口は閉じられていますが、地元は水質の調査を要望しています。

水が必要な田植えは6月1日から。苗が育っているため、時期を遅らせることは難しいといいます。
ただ、一番の気がかりは安否不明の2人の搭乗員です。
コメ農家 小川さん(80):
「何より2人の隊員さん。それが最優先になってもしょうがない。当然の話だから。本当に気の毒な話だ。本当に思いもしないことだから」
入鹿池の水質調査については、防衛省は地元の要望を踏まえ、民間の調査会社と契約。分析を進めていくとしています。