名豊道路の全線開通から半年 国交省の試算通り所要時間は短縮されたのか、走って検証してみた

国道23号、名豊道路が全線開通してから半年がたちました。国交省の試算通り、本当に通行の所要時間が短縮できるのか取材しました。
国道23号・名豊道路は愛知県の豊明市と豊橋市東部をつなぐ全長72.7キロのバイパス道路で、信号がなく無料で通行できます。国土交通省は全線開通前、豊橋市役所付近から名豊道路・豊明インターチェンジまで国道1号を使うと約1時間50分と試算。これに対し、名豊道路を使うと約1時間に短縮できるとしていました。
葛谷記者リポ:
「午後6時ごろの豊橋市役所です。名豊道路の豊明インターチェンジまでどれくらいかかのかを検証してゆきたいと思います」
今回検証するのは、国交省の試算と同じ区間、豊橋市役所付近から名豊道路・豊明インターチェンジまでの所要時間です。約25分かけて豊橋市内を抜け、ようやく名豊道路へ。走行していると。
葛谷記者リポ:
「車線が減るということで、混雑し始めました。(時速は)20キロほどになっています」
片側2車線が1車線に減り、一時的に混雑していました。別の場所でも。
葛谷記者リポ:
「西中インターチェンジ付近です。合流する車両も多く、混雑している印象です」
車線が減少する場所やインターチェンジ付近では混雑があり、スピードが大きく落ちました。一方で、渋滞はなく、ほとんどの区間を時速60キロで走行できました。
葛谷記者リポ:
「名豊道路の終わり、豊明インターチェンジを通過しました。ここまでにかかった時間は1時間31分でした」
国土交通省の試算より30分、長いという結果に。国道1号を使った際の所要時間の試算からは20分ほどの短縮でした。日常的に名豊道路を使う運送会社は。
蒲郡運送 天野高嗣車輌部長:
「(これまでより)10分ぐらい早くなっているくらいですかね。だいぶスムーズになるかなと思っていたんですが、わりかし交通量が逆に増えてしまって、そんなに早く到着するとか望んでいるほどは効果が出ていないイメージです」
国交省の調査では、すでに開通していた区間の全線開通前の交通量は12時間あたり1万1900台でした。全線開通後は1.74倍の2万800台に増え、これまで混雑していなかった豊川為当インターチェンジや前芝インターチェンジなどでも車の速度の低下が確認されました。
蒲郡運送 天野高嗣車輌部長:
「時間帯によっては夜中なんかスムーズに走れるみたいなんですが、昼間は(ドライバー)みんな口をそろえて『混んでいる』と言っていますね」
一方で、プラスも。平行して走る国道1号では、最大の渋滞の長さが530メートル減少するなど、周辺道路で渋滞の緩和が見られています。
蒲郡運送 天野高嗣車輌部長:
「今まで使っていたバイパス以外、蒲郡市内なんかはかなり空いたイメージがあります」
2024年問題をはじめ、ドライバーの労働時間に制約がある運送業界。天野さんは少しでも所要時間を短くするため名豊道路全線の片側2車線化に期待を寄せています。
蒲郡運送天野高嗣車輌部長:
「全線(片側)2車線化ですよね。そしたら効果が出るのかなと。(全線4車線化すれば)ドライバーの残業規制も厳しいので、そちら(ドライバーの労働時間)で効果が出るのかなと思います」





