子どもの虐待につながる“孤立感”を防ごう 訪問型の子育て支援「ホームスタート」広がる 発祥はイギリス

名古屋市で、幼い姉妹を自宅に放置したとして両親が逮捕される事件がありました。虐待の相談件数が増加の一途をたどる中、新たな子育て支援の取り組みが広がっています。
家庭が安心できる場所であるように、子育ての孤立感を減らそうと広がっている活動があります。
それは、イギリスで始まった「ホームスタート」といわれる「訪問型」の子育て支援。
愛知県長久手市の一般社団法人「みどりの風」では、養成講座を経て参加している50~60代の子育て経験者6人が、ボランティアで家庭を訪問しています。
電話やLINE、メールなどで申し込みを受け付けていて、市内の未就学児のいる家庭であれば、誰でも無料で利用できます。
ボランティアスタッフは週1回2時間ほど訪れ、親が抱える様々な“困りごと”に対応するといいます。
Q.具体的にどのようなことをしているのでしょう?
「どこの公園に行ったらいいかわからないと言われたら『じゃあ近くの公園に(一緒に)行って遊んでみようか』とか、買い物も荷物が大変。途中で子どもがギャーとなった時に1人ではどうしたらいいかわからないから。あとは検診。下の子の予防接種の時に(上の子と)近くで待つという活動をしている」(「みどりの風」 梛野千鶴 代表理事)
子育て経験者だからこそ寄り添える悩み

子育て経験者だからこそ寄り添えることも。
「自分もやってきた子育てに対して『私もそういうことがあったのよ』と言われると、お母さんも『自分だけじゃないんだ』『みんな困ったことや、大変なことがあったんだな』という思いでちょっと肩の力が抜けて、その家庭内の空気が変わる」(梛野さん)
全国の子どもの虐待相談数が増加傾向にあるなか、「ホームスタート」によって虐待を少しでも防いでいきたいと話します。
Q.虐待防止にもつながるのでしょうか?
「1人で孤立感を持たないようにして、先輩の子育て経験者が行くので、いろんなやり方を見る中で、子どもの見方とか、子育てへの自信がついて、虐待の予防になるのではないか」(梛野さん)





