三重・伊賀市に新たな忍者体験施設 8月27日オープン 2時間大人6000円… 安い?高い?“にぎわい作り”に64億円 博物館とのすみ分けは

人口約8万3000人。三重県伊賀市は言わずと知れた「忍者の里」。
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従来から忍者博物館が有名な伊賀市。国内外から多くの「忍者ファン」が訪れることで知られています。
しかし、今月27日に新たにオープンする伊賀流忍者体験施設は4階建てのビル。
施設の名は「万川集海(ばんせんしゅうかい)」としました。これは、江戸時代に伊賀の忍びの子孫が書いた忍術の秘伝書の名前と同じです。
体験できることは2つ。その一つが「魔堅窟(まかたくつ)巡り」です。忍びが暗躍する地底の洞窟に、音声ガイドを聞きながら潜入するというものですが…
約20分で忍びの教えを大人2000円で学べるというものです。
(松本道弥アナウンサー)
「この岩とか苔の感じ、そして水の流れ、本当に自然の洞窟に来ているかのようなそんな雰囲気」
2時間大人6000円 強気な価格設定?
さらに、もう一つの体験が忍修殿(にんしゅうでん)。
忍者装束に身を包み45種類の忍術の中から、伊賀流忍者の真髄を体験できるというもの。こちらは2時間の体験で大人6000円です。
強気な価格設定にも思えますが、地元・伊賀市の人は…
「けっこう楽しみにしている人は多いと思う」
Q.2時間6000円の価格設定は?
「高いです」
「正直、忍者って見飽きたというか…」
Q.街や商店街が一歩踏み出す材料になる?
「大きな一歩になるのでは」
反応は様々です。では、なぜ伊賀市はこの施設を展開することにしたのでしょうか?
“にぎわい作り”に64億円
(伊賀市 観光振興課・辻本康文係長)
「今回オープンする忍者体験施設と線路を挟んだ北側にある、旧庁舎の2つの施設をリノベーションして20年間運営する。そういう全ての事業を民間にやってもらう設計」
市は空き家となっていた旧上野市庁舎の中をリノベーションし、観光協会が運営する土産ショップや、民間のホテルが先にことし7月に開業。
実はこのプロジェクトはPFI方式と言い、建物内施設の設計・施工・運営に至るまで全て民間企業に委ねられています。土地・建物を所有する伊賀市は市全体のにぎわいを生み出すためほかの事業も含め、これから20年間で64億円を使って注力する方針です。
旧庁舎内には、来年4月に市の図書館も新たにオープンさせる予定です。
伊賀市の忍者博物館でも忍者ショーや手裏剣体験は以前から人気で、去年は年間約11万5000人が来場。新たな忍者体験施設とのすみ分けはどう考えているのでしょうか?
オープンは8月27日(水)博物館とのすみ分けは?
(辻本係長)
「博物館は見て学んで知る。一方で今回の新しい施設は、さまざまな忍者の体験を実際にしていただける。違う施設というすみ分けをしている」
このように違いを強調しますが、まわりの商店街との連携も不可欠。
地元の声を聞きました。
「商店街は商店街で独自な感じ。もうちょっと連携が取れたら良い」
一方、新たな忍者体験施設の関係者も…
(伊賀市にぎわいパートナーズ・吉綱利明代表)
「各店舗と連携を取りながら、お互いで相乗効果を生む形にしたい」
リニューアルでさらなる国内外の観光客の呼び込みにつながるのか…オープンは、いよいよ8月27日(水)です。