「墓じまい」で撤去された墓石を砕いてリサイクル 処分費は1トンあたり9900円で道路舗装の下地などに活用 愛知・岡崎市

きょう8月13日は「盆の入り」です。「令和のお墓事情」を取材しました。
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(矢田石材店 矢田敏起 代表)
「こちらは元墓石です。役目を終えた墓石。お坊さまがお経をあげたものをもってきたもの」
愛知県岡崎市で、石材店を営む矢田代表が2023年から事業展開する「愛知県石材リサイクルセンター」。
役目を終えた墓石を道路や地面の下地にするなど、インフラ整備にも活用しようという取り組みを行っています。
普段、墓石を作っている石材店が墓石を砕いて処理をする、真逆の事業を展開する理由は…
(矢田石材店 矢田敏起 代表)
「お墓を守り切れない人が社会的にどんどん増えている。お墓は片付けることを前提につくられていない。壊れないし片付けられない。同業者・所有者も困っている。役目を終えた墓石がリサイクルされる世の中にしていかないと、墓石をつくる事業も成り立たなくなると思った」
「墓じまい」が年々増えている中、役目を終えた墓石も比例して増えているのが現状。こちらに搬入されたものは100%リサイクルが可能です。
(矢田石材店 矢田敏起 代表)
「おろした石を重機を使って粗破砕して、破砕機に入る大きさに砕く作業をしている。こちらが破砕機で、石を細かく砕いてリサイクル材にする機械」
こちらでは天然石なら庭石や灯篭(とうろう)など様々な石にも対応しています。
「やりたくない仕事だが誰かがやらなくては…」
(矢田石材店 矢田敏起 代表)
「元・墓石を砕いて砕石にした状態のもの。(大きさは)約2~4センチ。道路の舗装の下の路盤材や下地材として使われている。硬いから角が出てタイヤがパンクする可能性があるから、表面には出ないところに使ってもらっている」
矢田代表によると墓石のリサイクル事業を行うのは、愛知県内ではここだけ。平均的な墓石の重量は1基1トンから2トンで、その処分費は1トンあたり9900円です。こちらで去年7月から、ことし6月までにリサイクルしたのは4600トンだったということです。
(矢田石材店 矢田敏起 代表)
「自分たちが大事につくってきた墓石を砕くことは、やりたくない仕事だが、誰かがやらなくてはいけない。お墓を持つことに躊躇(ちゅうちょ)する人も減って、循環していく世の中になればいい」