水道料金4か月無料!? 補修のため料金引き上げの自治体がある一方で…「広く市民に行き届く支援策として水道料金に決めた」 岐阜・関市

各地で水道管の破裂が発生し、老朽化が深刻な問題になっています。補修のため水道料金の引き上げを決断した自治体がある一方、刃物の街=岐阜県関市では…。
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(松本道弥アナウンサー)
「岐阜県関市では、この夏の水道基本料金が無料となるんです。物価高対策さまざまなところで行われていますが、どうして水道料金なのか、聞いていきます」
関市では、物価高が続く中、市民の負担軽減策をはかります。7月から10月までの4か月間に使用した水道の基本料金について、全ての世帯と事業者を対象に全額免除=タダにします。
(関市役所企画広報課 空かなえ課長)
「夏場はどうしても電気代、水道代が高くなる時期。まずはスピーディーに支援を届けること、広く市民に行き届くような支援策として水道料金に決めた」
昨年度は料金の値上げも “無料化”で負担軽減へ
関市は4か月間の上水道の基本料金を無料にしますが、対象は関市の水道を使う約3万5000件です。一般的な家庭では3000円あまりの負担軽減になるといいます。
(関市民)
「すごくうれしい。いろいろ高くなっているので」
「(水道代2か月で)4000円弱。家計を助ける部分ではありがたい」
「助かる。毎月かかる費用に力を入れてもらう方が、私的にはいい」
全国各地で問題となっている水道施設の老朽化。その補修などのため水道料金の値上げを決めた自治体があることについては…。
(空かなえ課長)「関市においても、老朽化した水道施設の更新のために、昨年度、水道料金を22%値上げしている」
関市でも水道施設の老朽化対策はこれまでも行っていますが、今回の4か月間の水道の基本料金の無料化は国からの交付金でまかないます。その名は「物価高騰対応重点支援地方創生臨時交付金」です。
大量に水を使う地元の刃物メーカーは…
その関市にある刃物メーカーを訪ねました。1932年創業の「ヤクセル」は関市に本社を構え、さまざまな包丁を製造。その9割が海外向け製品でアメリカをはじめ世界30か国~40か国に出荷しているそうです。
(ヤクセル 櫻井康史工場長)
Q:この大きな機械は、何の機械?
「これは包丁の金属の部分を削る機械」
Q:液体が流れているのは?
「『研削液』といって、製品を冷やしながら加工する。水はたくさん使っている」
包丁の刃を削って磨きあげたりするのに1日に必要な水は約220リットル。水道料金は2か月で2万5000円ほどだと言いますが、今回、上水道の基本料金が4か月免除されることについては…。
水道代が安くなれば…厳しい暑さで上がる電気代に回せる
(櫻井康史工場長)
「大変助かる。基本料金だけでも安くなれば、スポットクーラーやエアコンの費用になったり、そういったことに使えるのでありがたい」
Q:スポットクーラーは必須?
「必須ですね、これがないと作業者は倒れてしまう。まだこれから暑くなるので、この部屋の中は40℃近くになる」
工場の電気代は年間で約1187万円。6月は約75万円でした。この暑さが続くと、今後はさらに電気代は上がるだろうといいます。また、材料費や輸送費なども値上がり。この物価高の難局を乗り切るのはメーカーとしては頭の痛い問題です。
(櫻井康史工場長)
「いろいろ高くなっているので、水道代が安くなればありがたい」