土用の丑を前に…育てられるウナギはほとんどメスになる!? その秘密はエサに加えられる大豆イソフラボン オスより大きく「1匹を2人で食べれば資源確保にも」 愛知・高浜市

国産シラスウナギを大きく育てることにこだわる愛知県高浜市のヤマヤ養魚。土用の丑の日を前に出荷に大忙しです。
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(松本道弥アナウンサー)
「1か月ほど前もお邪魔しましたが、養鰻池の水がほとんど抜けていてそこに大量のウナギが」
(ヤマヤ養魚 糟谷禎取締役)
「これが出荷作業。ウナギと水をポンプで(出荷場まで)一気に送る」
(松本アナ)
「ものすごい量のウナギが(パイプの中を)流れています」
出荷するブランドウナギはほとんどがメス!?
そのブランド名は…
(糟谷取締役)
「『碧海(へきかい)うなぎ』です」
(松本アナ)
「大きいし太いですね」
「碧海うなぎ」の最大の特徴は、ほとんどがメスだということ。市場に出回る養殖ウナギの約9割はオスです。稚魚の時にはオス・メス決まっていませんが、養鰻池で密集した中で育つとストレスを感じてほとんどがオスに。しかし「碧海うなぎ」は逆。全体の9割がメスなんです。
シラスウナギをメスにする方法とは
8万匹ほどを養殖するハウス。仕入れたシラスウナギをメスにするための秘密が…“白い粉”です。
(糟谷取締役)
「これが噂の大豆イソフラボン。一定期間投与することでオスからメスに変わる」
与える飼料20キロに対して、女性ホルモンと似た働きをするとされる大豆イソフラボンを80グラムほど加えると、メス化を促進する効果があるようで…
(糟谷取締役)
「粉を入れるだけでメスウナギになるの?って半信半疑だった。検査機関に検査してもらって9割ぐらいメスになっていた。びっくり」
愛知県水産試験場などが取り組んだこの技術では、エサに大豆イソフラボンを配合することで、ほぼすべてのウナギがメスになることがわかっています。ヤマヤ養魚は去年からメスウナギに特化した養殖に取り組んできました。
(糟谷取締役)
「大きく育てたウナギを半分にして1匹を2人で食べられる。資源確保にもなって良いこと尽くめ」
ウナギはオスよりメスのほうが身に厚みがあり、より大きくして出荷できます。オスは大きくなると身が固くなるので、200グラムから250グラムの段階で出荷するのが一般的ですが、メスは1匹250~300グラムが出荷サイズです。
ウナギの出荷作業を体験
出荷作業を手伝わせていただくと。
(松本アナ)
「お~足にウナギが当たってきます。水圧もすごい」
「ドウマン」と呼ばれるかごを使ってウナギをすくい、出荷します。
(松本アナ)「とれました!お~重たいですね。一人では持ち上げられないくらい。見てください。大量のウナギ」
ドウマン1つに入ったウナギは35キロほど。大変な作業です。
この日は半年ほどかけて育てた「碧海ウナギ」1万匹以上を出荷。特設販売所では7月12日から、数量限定で冷凍したウナギ1匹を2800円で、この日までに約200匹販売したということです。
(糟谷取締役)
Q出荷サイズとしては?
「申し分ない。早くお客さんに食べてもらいたい」