「誰か助けて」ムクドリの群れが名古屋の中心に…“鳴き声やふん”に飲食店が大迷惑!「全然逃げない」“おもちゃの銃”の効果は?
東海地方の街中に出没する「ムクドリ」。その鳴き声やふんに、住民は困惑しています。
【写真を見る】「誰か助けて」ムクドリの群れが名古屋の中心に…“鳴き声やふん”に飲食店が大迷惑!「全然逃げない」“おもちゃの銃”の効果は?
地上から撮影していると、ムクドリが空を覆いつくすほどの大群となってあらわれました!すると…カメラマンの背中に、ふんが落ちるハプニングが…!
そしていま、名古屋の中心部でも、ムクドリの大群が目撃されています。
(報告:松田亘哲記者)
「午後3時の名古屋市中区・伏見に来ています。こちらでも、ムクドリが大量にやってくるということですが、この時間はまだいません。しかし、道路を見てみると、大量のふんがあることがわかります」
名古屋のメインストリート広小路通り。至近距離に、地下鉄の出入り口や御園座があり、多くの人が行き交います。
そこで、通り沿いの飲食店の店長、仲江さんに聞いてみると…
うるさい鳴き声が毎日…「本当に勘弁してほしい」
(広小路キッチンマツヤ 仲江亜咲奈店長)
「この木です。おととしは向こうの木だったが、去年から、この木にすごく来るようになった」
店内からも確認できるというムクドリの群れ。ことしは9月下旬にあらわれ、その後、毎日あらわれるように…
(仲江店長)
「大げさではなく、1000羽くらいいるのではという感じ。窓関係なく、鳴き声がわーっと聞こえるので、お客さんも食事をしながら『かなりうるさいね』という感じ」
さらに…
(仲江店長)
「赤い屋根にふんがたまってしまって、景観が悪い状態。においもあって、飲食店としては本当に勘弁してほしい」
とても迷惑なムクドリ。さらに調査を進めるため、群れがやってくる時間帯を待っていきます。
鳴き声うるさい!ふんが怖い!
時刻は午後4時48分。日の入りの時間帯に。すると…!
(松田記者)
「集まってきた、集まってきた!すごい!」
午後5時前、ムクドリの群れが、この日もやってきました。
(松田記者)
「うわーすごい!どんどん集まってきますね。もう大群」
そして、15分後…
(松田記者)
「木の上に止まって、大量に鳴き出しました。うるさいです。すごい音です」
ムクドリの大合唱です。この秋から毎日続く異常事態に、街の人は…?
(男性)
「いつもこんな感じ。うるさいときは、もっとうるさい。ふんが怖い、もしされたら嫌だな」
(女性)
「いやです。どうにかしてほしいが、寝床がなくなるのはかわいそう。森に行ってほしい」
ところでなぜ、名古屋の中心部・中区伏見に、ムクドリは集まってくるのでしょうか?
専門家に聞いてみると…
フクロウやヘビから逃れるために
(名城大学 農学部 生物環境科学科 橋本啓史准教授)
「一つは、天敵が街中の方が少なく、安心して夜過ごすことができる。それから、(夜でも)明るいことや、人通りが多いところも、天敵が来にくい条件」
夜でも人通りが多い都市部。フクロウやヘビなど、ムクドリが天敵から逃れる好条件がそろっています。
観察していると、気になることがひとつ…
(松田記者)
「飲食店側の木には、たくさんムクドリが止まっているが、信号を渡って向こう側の木には、一切いない」
交差点付近にある、4本のケヤキの街路樹だけに集中するムクドリ。これらが寝ぐらです。
しかしなぜ、それ以外のケヤキには近づかないのか?
(橋本准教授)
「集団なので、少数だけが『別の所に行ってみよう』ということは、なかなかない。簡単には場所を変えない」
毎日繰り返される騒音とふん害。レストランを営む仲江さんは、苦肉の策で、大きな音だけが出る「おもちゃの銃」を去年、購入。
(仲江店長)「音出しまーす」
「おもちゃの銃」で威嚇!その効果は…
まるで発砲したような大きな音。これに反応して、木から離れるムクドリもいましたが…
あっと言う間に、元の場所へ戻ってきました。
(広小路キッチンマツヤ 仲江待瑳海料理長)
「夜9時にやったとしても、10時~11時には、また集まってしまう。最初のころは、何回も何回もやって、あまりいなくなった。ことしはもう慣れたのか…」
もはや「おもちゃの銃」の効果もなし…。仲江さんは、途方に暮れています。
(仲江店長)
「私としては、個人の対策を超えていると思っていて『誰か助けて』という感じ」
名古屋市が管理する街路樹を、住民が切り倒すことももちろんできず、どうしたものか…
(橋本准教授)
「木には来ないが、電線や建物の上に来るなど、同じ場所に集まる場合もあって、なかなか対策がどこも見つかっていない」
名古屋市も、ムクドリ対策として、ケヤキの剪定はするものの効果なし!
仲江さんたち商店街のみなさんは、ことしも、葉が完全に落ちる真冬を待ちわびています。