
淡路島へドライブで活断層を見に行く 野島断層保存館 阪神・淡路大震災を予習【暮らしの防災】

1月17日、阪神・淡路大震災の日が近づいてきました。そこで、少し早めの予習をします。活断層を実際に見られる場所として、以前、岐阜県本巣町の「根尾谷地震断層観察館」を紹介しています(2024年08月11日掲載)。今回は「阪神・淡路大震災」の震源断層の一部が見られる「野島断層保存館」を紹介します。地震で大きくズレ動いた野島断層の断面が見られるほか、大震災の被害状況の再現模型や、当時の写真パネルなども見学できます。東海地方から淡路島へは、高速道路を使っても日帰りはちょっとキツイですが、道中や淡路島では見どころ満載です。時間をかけて行く価値はあります。
阪神・淡路大震災

1995年1月17日(火)午前5時46分に阪神・淡路大震災が発生しました。人的被害は、死者6434人、行方不明者3人、負傷者4万3792人です。「神戸市内における検死統計」によると死因の約8割は圧死で、倒壊した建物、倒れてきた家具などによるものでした。
しかも死者の9割以上の死亡推定時刻は午前6時までで、発生から15分以内に亡くなったことになります。このデータから部屋や建物の耐震対策がとても重要なことがわかります。
震源断層

阪神・淡路大震災の震源断層は「六甲・淡路島断層帯」です。その1つである「野島断層」が動いて阪神・淡路大震災が発生しました。
野島断層は淡路島にあり、南西~北東に走る長さ約10kmの活断層です。断層の南東側が南西方向に約1〜2m横ずれし、同時に0.5〜1.2m隆起したのです。
保存館にはこの「野島断層」が、シッカリとした形で保存・展示され、国の天然記念物に指定されています。因みに震度7の激しい揺れを観測したエリアは、神戸市側のこの活断層周辺に、帯状に広がっていました。
野島断層保存館

野島断層保存館には、断層の一部(約140m)が保存され展示されています。実物・パネル・案内係の解説で詳しく観察できます。破壊された道路、生垣のズレ、地割れなど、さまざまな地形の変化を見学することができます。息をのむ迫力です。
断層の断面が見られる展示

これは断層の断面を見られるトレンチ展示です。普段見ることができない断層の断面を観察することができます。
断層面を境に、右側・左側の地質が違うのも分かります。こんなに良い状態の断面を間近で見られる施設はそうありません。
阪神・淡路大震災の姿を知ることができる

このほか、国道43号が倒壊した様子の再現模型、活断層の真横でもほとんど壊れなかった地震に強い家、VRを使用した地震の揺れ体験など、阪神・淡路大震災の姿を知ることができます。
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被災地取材やNPO研究員の立場などから学んだ防災の知識や知恵を、コラム形式でつづります。
■五十嵐 信裕
東京都出身。1990年メ~テレ入社、東日本大震災では被災地でANN現地デスクを経験。報道局防災担当部長や防災特番『池上彰と考える!巨大自然災害から命を守れ』プロデューサーなどを経て、現ニュースデスク。防災関係のNPOの特別研究員や愛知県防災減災カレッジのメディア講座講師も務め、防災・減災報道のあり方について取材と発信を続ける。日本災害情報学会・会員 防災士。





