事故直後、ぼうぜんと立つ男 制限速度25kmの“2倍超え”の時速60kmか 名駅近くで3人死傷

暴走事故直後の男の様子をカメラが捉えていました。15日、名古屋駅近くで車が暴走した事故直後の映像。救助活動が続く中、男はぼうぜんと車の横に立っています。車は制限速度を大幅に超えて突っ込んだとみられています。

名古屋市中村区で15日に事故があった下広井町の交差点。いつもと変わらないようにみえますが、行き交う人々の心に大きな不安を感じさせた事故。
15日午前7時40分ごろ、横断歩道を渡っていた3人が、バスターミナルや駐車場につながる誘導路から出てきた軽乗用車にはねられました。会社員の田中幸子さん(49)が死亡し、男女2人が重傷を負いました。

車を運転していたのは、71歳の鳴海洋容疑者。過失運転致傷の疑いで現行犯逮捕されました。
15日、中京テレビのカメラには被害者の救助が進む中、車の横に立っている鳴海容疑者の姿が…。
その後、警察官が鳴海容疑者を連行する様子も捉えられていました。
鳴海容疑者が乗っていた軽乗用車は誘導路の出口へ向かう途中のカーブでコントロールを失い、反対車線に突っ込んだうえ、赤信号の交差点に進入したとみられています。

16日午前8時半ごろ、愛知県中村警察署。
記者:「鳴海容疑者です。いま中村警察署から出てきました。足取りは少しおぼつかない様子も見て取れます」
少し足を引きずるような歩き方。警察官に助けられながらゆっくりと車に乗り込む様子も見られました。
警察は、カーブを曲がりきれない速度で走行していたとみて容疑を危険運転致死傷に切り替えて送検しました。
捜査関係者への取材では、事故当時、制限速度の2倍を超える時速60キロ程度で走行していたとみられることがわかりました。
調べに対し、鳴海容疑者は「人にぶつかっていない」と、容疑を否認しているということです。

鳴海容疑者が通ってきたバスターミナルや駐車場につながる誘導路。
実際に走ってみると…
記者:「(制限速度を示す)25キロと書かれた看板もあります。坂道を下っているとかなり前の方に重力がかかる感じがして角度を感じます。気をつけていないとスピードが出てしまいそうです」
急な坂をくだりきると左に曲がりすぐに横断歩道が現れます。しっかり速度を落としていないと、止まれないように見えます。
警察によると現場に目立ったブレーキ痕は残されていなかったといい、事故を目撃した人も、「ブレーキ音はほぼしなかった」と話しています。
当時、何があったのか…。警察が事故の状況を詳しく調べています。