想定外の大雨頻発で浸水から建物を守る「止水板」に注目集まる 愛知のメーカーでは注文が倍に

「想定外」の大雨災害が頻発するなか、浸水から建物を守る「止水板」に注目が集まっています。
16日に国土交通省を訪れたのは、三重県四日市市の森智広市長たちです。
中野洋昌大臣に要望したのは――
「9月12日の大雨の件で浸水した、くすの木パーキングについて大臣に要望した。くすの木パーキングを1日でも早く復旧したい。そのための支援をいただきたいと」(四日市市 森智弘市長)
9月12日夜の四日市市。
1時間の雨量が123.5mmという観測史上最大の大雨で、街の中心部は一気に冠水しました。
近鉄四日市駅東口の地下駐車場では地下2階が水没。
地下1階と合わせ、駐車中の274台が被害にあいました。
「止水板」の注文が急増

あふれた雨水が地下に流れ込むのを防ぐのが「止水板」。
当時、駐車場では一部で止水版の故障や、設置に人の手が回らなかったと言われていて、あらためて「止水版」に注目が集まることになりました。
愛知県のメーカー、KTXではいま、止水板の注文が急増しているといいます。
「(受注が)倍になった。例年の同時期に比べ、150件が300件になった」(KTX 野田太一社長)
Q.注文が倍になったことは
「これまでにない。初めてだと思う」(野田社長)
一人で運んで設置することが出来る

アルミニウムで作られた板は約12キロと軽く、一人で運んで設置することが出来ます。
この商品は、磁石を使って壁や柱に固定します。
ビルやマンションなどに、手軽に素早く設置が出来ます。
さっそく注文をした企業も…

早速、注文をした企業があります。
岐阜市にある「中部テラオカ 岐阜営業所」。レジ周りの機器などを扱う会社です。
7月の大雨で社屋に水が流れ込み、大きな被害が出ました。
「損害額でいうと、約1500万円の被害。1階が倉庫になっているので、製品はそこに全て置いてある。 消耗品を始め、さまざまなものが全て廃棄になってしまった」(中部テラオカ 総務部 阪上和弘係長)
止水版を置くのは、事務所の入り口など4カ所。
高い水圧にも、耐えられるものを導入します。
四日市市の大雨被害から、改めて災害に備える意識を強くしたといいます。
「未然に防ぐ意味でも、常に止水板を用意して、いつでも備えられるようにしていきたい」(阪上係長)