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【戦後80年】舞台で伝えた名古屋空襲のリアル 戦後生まれの若い俳優たちが試行錯誤した「あとかたの街」

08.25(月)17:41
戦後80年の今夏、8000人近い人が命を落とした名古屋空襲の悲劇を伝える舞台に、地元・名古屋の劇団が挑みました。日常の延長にある戦争の「リアル」は、観客にどう伝わったのでしょうか。
名古屋空襲の前後を生きた人たちを描いた舞台「あとかたの街」。名古屋の劇団「俳優館」が中心となって企画されました。
12歳の主人公・あいを演じたのは、三重県四日市市の俳優、藤本幸音さん(25)です。
太平洋戦争中、多くの軍需工場があった名古屋は63回にわたってアメリカ軍に爆撃され、7858人が犠牲になりました。
舞台は名古屋市出身の漫画家おざわゆきさんの作品が原作で、空襲下で日常を奪われる、あいや家族・友人・近所の人たちを描きます。
「名古屋の物語を名古屋の人に見てもらうので、実際にあった出来事として知ってもらえるように頑張りたい」(藤本さん)
戦争を知らない世代の出演者たち。資料館を訪れるなどして役作りに取り組みました。
本番を迎え、観客が感じた「リアル」は…

そして迎えた23日の本番。開演1時間前まで修正が続きました。
ステージが終わり、舞台を観終えた観客は…
「生の人の声や体が動いて訴えかけてくるものがあったので、痛みや悲惨さが映像よりも伝わってくると思った」(40代)
「本当のことが知れてよかった」(10歳)
「胸にくるものがあった。大泣きして見ていた」(50代)
藤本さんも主人公のあいを演じ、戦争というテーマの重みや伝える責任を感じたといいます。
「本当に名古屋で起こったことだということを、名古屋のお客さんはより実感しやすいと思うので、何か考えるきっかけになっていたらいいなと。私も考えながらやったので、(きっかけになったら)いいなと思う」(藤本さん)