2024年7月4日放送
AI分析で1週間先までの熱中症リスクを予測 学校に情報提供する全国初の取り組み 名古屋市【イマネタ】2023年6月20日放送
ドデスカ!イマネタ
19日の東海3県は30℃を超える真夏日となりました。この時期に気になるのが熱中症。その熱中症に対する名古屋で始まった全国初の取り組みを、島津咲苗アナウンサーが取材しました。
19日の東海三県はよく晴れて、名古屋では午前中から強い日差しが照り付けました。名古屋の19日の最高気温は32.7℃、岐阜県郡上市八幡町と三重県松阪市粥見では33.5℃となりました。
「暑いですね。風があるからまだなんとか。18日ははまだ涼しかったから 1日でこうも変わるのかって」
「ハンディファンをみんな持っていないのでいらないかなと思っていたけど、さすがに暑くなり始めたので使い始めました」(名古屋の街の人)
このような日に気になるのはやはり熱中症ではないでしょうか?
名古屋市では6月12日から18日までの1週間に31人が熱中症の疑いで救急搬送されました。
熱中症に対して名古屋市が全国初の取り組みを6月から始めています。
「熱中症で搬送される人を少しでも減らそうと名古屋市は市内の小・中・高校などに熱中症リスクを示す予測データを提供し始めました」(メ~テレ島津咲苗アナウンサー)
それはいったいどのようなものなのか?予測データの分析を担当している名古屋工業大学の平田晃昌教授に聞きました。
Qどういった取り組みなのでしょうか?(島津アナ)
「お子さんは体育の授業中、暑いと感じても言い出せない。低学年は暑いと感じることさえよくわかっていない可能性があります。今回は学校の先生向けに新しい指標を提案する形です」(名古屋工業大学 平田晃正教授)
全国初の取り組みとは熱中症のリスクを減らす『学校向けの新しい指標』を作ったことです。
熱中症の指標として代表的なのは環境省が出している「暑さ指数」があります。その数値が33以上で「熱中症警戒アラートが発令」されます。
その暑さ指数と、今回の熱中症の新しい指標はどう違うのでしょうか?
「暑さ指数は3日先までしか出ません。それを1週間前から熱中症リスクがわかれば、学校の先生が『暑くなるから行事を変えた方がいいのではないか』そういったことができれば搬送者が減るのではと考えています」(平田教授)
これまでの予測では熱中症のリスクがあるかどうかは3日先までしかわかりませんでした。平田教授はAIと数式を組み合わせて分析した上、6月から1週間先まで分かるようにしました。
名古屋市内の公立の幼稚園・小中高校など合わせて415校と保育所などにその情報を提供しているといいます。
1週間前に熱中症のリスクが判明することで、学校の先生にとっては、体育の授業や運動会の内容の変更といった熱中症を避ける対策を早い準備できるようになったといいます。
この先、6月19日から25日までの1週間の熱中症のリスクを予測したグラフです。リスク60%以上は屋外の授業の変更の目安となっている数値ですが、今週の予測リスクは20%以下。これは高校生以下の搬送者が1人出るか出ないか、という数字だということです。
熱中症リスクに関する新しい指標には、もう一つ「暑さ指数」より優れた点がありました。
「各都市の気温を測る場所はまちまち。何℃ぐらいから搬送者が増えるかは少し違う。私たちが暮らす名古屋の過去7年程度のデータを分析して、どのくらいで暑さ慣れをしているかを加味し、暑さ指数では対応できない部分を補って現場に伝えられればと考えています」(平田教授)
Q.地域の特性も踏まえているんですね?(島津アナ)
「今年はコロナ禍明けで皆さんが急に動き始めた。体力が衰えている人もいるため、いつも以上に熱中症リスクが高い。梅雨明けは特にリスクが高いので、のどが渇く手前から水分を補給すること、部屋の温度が高くなったらエアコンなどで気温を調整すること、データを活用しながら無理のないようにしてください」(名古屋工業大学 平田晃正教授)
番組詳細
ニュースでは伝えきれない「生活ネタ」や「地元の小さな話題」まで、今気になる鮮度の高い地元・東海3県のニュースを徹底取材。竹田基起アナ・島津咲苗アナがフットワークよく取材に急行、現場の臨場感と共に地元のニュースを伝えます。
- 竹田基起
- 島津咲苗
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