日本最大級のネット中古書店、在庫100万点から効率よく商品を見つける秘密『チャント!特集』
巨大な倉庫にマンガや小説、ゲームおよそ 100 万点を常置する、日本最大級のインターネット中古書店「ネットオフ」。コロナ禍の「巣ごもり需要」を追い風に業績は絶好調。1 日およそ 2 万点もの大量注文をさばくために1 秒も無駄にしない「徹底した効率化」その秘密に迫ります。
巣ごもり需要で中古本の売れ行きアップ?
愛知県の「ネットオフ」は中古の書籍やDVD、ゲームなどのインターネット通販会社で、会員数は 2000年の創業以来、右肩上がりでおよそ400万人です。
2012年には「1年間で最も多く中古本を販売した」としてギネス世界記録に認定されました。
2000年にこの会社を立ち上げた、黒田武志(くろだ・たけし)社長。2021年秋に発表したグループ連結決算は年間売り上げ78億円、経常利益は前期比2倍の5億円と、いずれも過去最高を更新しました。
追い風となった理由について聞いてみると…。黒田社長は「巣ごもり需要」を理由に挙げました。
コロナ禍の「おうち時間」。部屋の整理で出てくる不要になった書籍などを売りに出す人が増えている上、インターネットで中古のマンガや DVD、ゲームを買う人も増えたといいます。
徹底した効率化で時間との勝負
ネットオフの商品センターは、およそ 2200 坪、テニスコート 28 面分の広さです。
ここで取り扱う商品は年間 2000 万点以上。いかにスピーディーに買い取り、出荷できるかがカギになります。
黒田社長「時間はやはりコストですから。生産性を上げていかないと」
黒田社長が目標として掲げるのは「徹底した効率化」です。現場はまさに時間との勝負、たった1秒も無駄にはしません。
買い取り査定の現場には、毎日5万冊から10万冊の買い取り商品が全国から届きます。
創業当初は買い取り査定に1週間以上かかることもあったそうですが、いまでは専用のシステムを使って瞬時に査定し、1冊あたり1、2秒で査定完了します。さらに、効率化の上で最もカギとなるのは出荷作業。1 日あたりおよそ2万点の出荷を従業員でさばいています。
広大な倉庫で出荷する商品を効率的に見つける秘密
ネットで注文を受けた後、この広大な倉庫の中で一体どうやって商品を選択しているのでしょうか?
黒田社長「以前はアマゾンも、アメリカ本国の人と一緒に見学に来たことがあります」
黒田社長は元トヨタマン。「カイゼン」を繰り返し、辿り着いた「徹底的に効率化された作業」とは、専用のシステムが商品の位置から最も効率よい回収ルートを割り出して、従業員が持つ端末のシステムに表示、順番に次にピックアップする商品のデータが表示されるという仕組みです。商品を回収する時間は1冊あたり20秒から30秒ほど。
黒田社長「倉庫内が一方通行だと、すれ違う時にぶつかってしまうので、一筆書きの様にしてピッキングするようになっている」
システムの指示に従っていけば、広い倉庫でも一度通った道をもどることはなく、まさに「一筆書きのルート」で効率的にすべての商品を回収できます。
黒田社長は今後について、リユースやリサイクル事業というのは、日本人の気質にもあっている事業、これからも日本が世界に誇れるリユース・リサイクルの先進国になれるように頑張っていきたいと話しました。
CBCテレビ「チャント!」2月17日放送から。